Quantum of Solace

好きなことを書きたいときに

Aqua Timez全曲レビュー完結しました!

 

 

 

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約9カ月、Aqua Timez全曲レビュー完結しました!

なんとか年内に終われました…。

 

おそらく解散後で今年が1番Aqua Timezを聞いてましたね。

中には久々に聞きなおした曲なんかも結構あったりして、こういうブログを書くことであの頃のAqua Timezに再会する、みたいなそんな不思議な感覚でもありました。

時間経過と共にたまに昔好きだった曲が心に響かなくなったり、良いと思えなくなるってことがたまにあるんですけど、

Aqua Timezは今聞いても心から良いなぁと思えます。それを今回の全曲レビューを通して再認識することが出来ました。好きだったものを未だに変わらずに好きでいられる、これ結構嬉しいですよね。

 

 

 

どうせならライブ映像とかライブ盤とかもレビューしようかなと思いましたけど、そこまでは間に合わないのとライブ映像全部所持してないので諦めました笑

 

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Aqua Timez 「二重螺旋のまさゆめ」 #17

 

 

Aqua Timez 8th Album。

2018年4月25日リリース。

 

前作から今作に至るまでシングルがリリースされていないので、シングルが収録されない初めてのアルバムとなった。

今作を引っ提げてのツアーの前の5月8日に年内での解散を発表、今作が事実上のラストアルバムとなった。

前作「アスナロウ」の時点で編曲の名義もバンド単体に戻りつつあったが、今作は全曲が再び編曲がバンド名義に。一部客演を除き、バンドのみで作り上げたアルバムとなった。今までにない方向性に足を踏み出したりしていて、バンドとしての力が目に見てパワーアップしているのを感じられるので、これで最後というのはとても残念だった。

解散に際して「全てを出しきったような、燃え尽きたような感覚」というコメントが出ていたが、聞いてる側からするいやいや、これからでしょ!という気持ちがすごーーーく強い。



「たかが100年の」

PlayStation 4用ゲーム『グランクレスト戦記』主題歌。

アルバムのオープニングを飾る疾走感溢れるロックチューン。

ここ数作はすっかりご無沙汰してたガチャガチャしたミクスチャー系のロックで2006~9年とかあの辺のAqua Timezを思い出した。サビ前の英語詞が入る辺りなんかもあの頃っぽい。

 

 

over and over

ラストライブでは最終盤(最後から数えて4曲目)に披露され、その際「最後のアルバムで伝えたかった事はこの曲に詰まっている」と語っている。

最後のアルバムというか、ここ数作のアルバムで太志が伝えたかったメッセージは「顔を上げてみると思っていたよりも世界は素晴らしいものだよ(意訳)」的な物が多くて、それを改めてこの曲で伝えたかったのかなぁと思いました。

個人的には同じようなタイプの「シンガロング」の方が好きなのでこの曲が特に!ということは無いんだけど、結構ロックバンド感が強いサウンドアレンジは好き。

 

 

「えにし feat. GOMESS」

ラッパーのGOMESSを迎えたラップロック

ギターのチョッパーとベースのスラップのファンキーなロックサウンドに乗せて、

鋭いラップを載せていく様が物凄くクール。これだけでもかなり良いのに自分より年下のラッパーであるGOMESSを迎えることでバチバチにラップバトルで語り合ってるような音像が生まれていて、結果、曲に良い緊張感が出ていて凄く良い。

正直、ここ数作の路線からこういうのをAqua Timezに求めては無かったし、想像すらしなかったけど、久しくAqua Timezに感じていなかったカッコよさをこの曲でガツンと提示されて度肝抜かれた。

 

 

 

「遊びつかれて」

ザーザーとノイズの効果音が入ったり、ラジオ越しに聞こえる曇ったような音質だったり…1分ちょっとの小曲。ラジオのスイッチを切るようにして「未来少女」にそのまま繋がる。

 

 

「未来少女」

今作のリード曲。『情報ライブ ミヤネ屋』4月~6月エンディングテーマとして起用されていた。

塞ぎ込んでいる僕に未来から来たキミから手紙が届く、というストーリー構成の歌詞は「エルフの涙」の頃っぽい作風。この曲のポップな感じ自体がそれっぽいかも。

 

この曲に関しては歌詞が凄く好きだ。

どういうニュアンスで書かれたものはか定かでは無いけど、個人的にはこの歌詞の主人公に自分を、手紙の主にはAqua Timezを重ねて聞いていた。

楽しくもないことで笑い 泣けるほど悲しくも無い
だけど 独りぼっちはいやだ 僕はずるいやつだろう
大勢でははしゃくだがいい 心を近づけたりはしない

という歌詞は傷つくのが怖くて自分から孤独を選んでいるような様は凄く自分の消極的な生き方に被ったし、そういう自分に太志の優しい歌詞が今まで響いてきたわけであって、

その自分とバンドの関係性がこの曲で可視化されたみたいでなんか勝手に感動しちゃってた。こんな消極的な感情って口に出すのも憚れる感じがあって、ずっと溜め込みがちだけど、自分だけじゃないを思えたという気持ちは前を向くには凄く必要な感情だよね。一緒にしゃがみ込んでくれるようなAqua Timezの音楽性を感じられる最後の1曲でした。

 

 

 


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Music Videoが存在している。

アルバムのジャケットと同様に六七質がイラストを手掛けている。

静止画の中で一部がアニメーションで動く、いわゆるシネマグラフで今までに無いMusic Videoになっている。勿論本人たちは出演していない。

 

「日曜讃歌」

星野源の「SUN」やAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」などを彷彿とさせる緩めなディスコチューン。

日曜讃歌なんて言うくらいなので休日の日曜のゆるい幸せを綴った歌詞で、この辺は前作収録の「サンデーパーク」と共通してる。

キーボード担当のメンバーがいるため、EDM的なノリの曲はあったけど、Aqua Timezでディスコっぽい横ノリの曲は少ないので初めて聞いた時は凄いビックリした。まだこんな可能性があったのか!?と。まぁこのアルバムで解散しちゃうんですけど…。

 

 

「ミックス茶」

ミックス茶…お茶の歌?と思いきや、ただ単にミクスチャーロック路線の楽曲っていうことで、割と初期にあったようなゴリゴリのロック路線。

なんだけど、ミクスチャーを冠してる分だけあっていつもよりも随分と音がハードな作り。なんならメタルチックですらある。ここまで振り切ったハードさはありそうでなかったのでなかなか新鮮だ。

間奏のお喋りは彼らのラジオ番組「アクアトレイン」の放送内容がそのまま引用されてる。

 

「陽炎-interlude-」

ライブの転換とかで使われてそうなインスト。

 

「+1」

Aqua Timez流のファンク。思わず踊りだしたくなるようなグルーヴィーなサウンドとメンバー全員が歌ってる楽し気なサビのノリが非常に心地よい。

確かファンクラブサイトでこの曲のダンス講座動画みたいなの出てたような…(出番は今作を引っ提げてのPresent is a Present tour 2018でしか無かったので記憶が乏しい…)。

Hey!とかFoo!といった楽し気な掛け声だったり、間奏の口ベースとファンキーなTASSHIの歌唱だったり、とにかく遊び心満載で聞いてるだけでも凄く楽しい。ライブで聞いた時も楽しかった記憶がある。

ラストライブではセトリから外されていたので、まじでPresent is a Present tourだけでの披露となったこの曲。もしこの先もバンドの活動が続いていたら確実にライブアンセムになっていただろうに…。

それにしても「さぁ君が6人目」と聞いてるリスナーをバンドの6人目のメンバーだという歌詞があるんだけど、まさかそう歌ってるくれるバンド側がいなくなってしまうとは(笑)

 

 

「愛へ」

とてもシンプルなメッセージを軽快のノリに乗せた爽やかなポップパンク。

ライブではサビの「愛へ」の部分を太志が観客に振って、ライブで観客が歌うパートがあったりして「+1」に続いてライブでの一体感をより強く感じられる曲となっている。

「愛」についてなので歌詞ももっと深そうなメッセージかと思いきや、めっちゃド直球な愛へのメッセージでちょっと笑ってしまった。「愛へ」なんてタイトルつけるからバラードだろうなぁって思ってたし。タイトルと曲と歌詞にギャップがあった部門だと1位。

にしてもこれ、最後の歌詞が意味深だ。

終始、前向きな感じで「愛へ」と歌っているのに

最後は「根拠もなく 大丈夫だと言っておくれ 次に会えた時もまた」。

最初聞いた時はそこまで気にならなかったけど、「last dance」があんな歌詞になってたから「ん?」となってしまった。なんだよ次に会えた時もまたってよ。

 

 

「タイムマシン」

Bメロをしっとり歌い上げるのに、サビで「hello hello」をフレーズがフューチャーされて、そこまでガッツリメロディを歌わないという構成が珍しい、というバラード。

いわゆる王道から外す感じの作りだけど、こういう奇をてらう感じはAqua Timezには珍しいよなと思う。

普通に聞けば愛のバラードだけど、「未来は見たくない」とか「思い出で巡り逢い続ける」とかバンドの終わりを意識してるんじゃない?という感じにも取れる歌詞がちょこちょこ出てくる。曲名も「タイムマシン」だし。

あぁもう全ての歌詞が意味深に聞こえてしまう病気。こういう聞き方は良くないよな…。

 

 

 

「last dance」

アルバム、そしてAqua Timezの最後を飾るクロージングナンバー。

ラストライブのタイトルにもこの曲名が使用されている。

Aqua Timezのアルバムのラストと言えばバラードだったのに、その通例を壊して疾走感のあるロック。

この時点では「おっ?今までとは違う趣向だな」と思ってたんだけど、

ここ数作のファンタジックな路線を暗に批判するような1番のAメロの歌詞で異変を感じて(こんな風に後ろ向きな否定っぽい詞は今まで無かった)、

さらに聞き進めていくと決まってしまった別れに再会を祈るような歌詞が続いていく…。おいおい、なんでそんなシンミリさせるんだよ。

あまりに意味深で不穏な歌詞にこんな事を当時呟いてた。

このツイートの数日後に本当に解散発表があったわけで。。。

そう思って聞いた見るとそりゃそうだよねとなる。曲名がラストダンスだもん。

曲自体は不穏な歌詞を除けば、爽やかでありつつも結構ガッツリロックしてるタイプの曲で凄くカッコイイ。いいんだけど、らしくないんだよな。

Aqua Timezはもっと前向きで明るいモノが似合ってるし、こんな切実な歌詞を聞かされて彼ららしい最後だとは思えなかった…。良い曲なんだよ、なんだけどさぁ…凄く複雑な感情が入り乱れる曲でもある。

だからこそ、ラストライブで最後を飾るのがこの曲じゃなくて「虹」で本当に良かった。

 

 

Aqua Timez 「アスナロウ」Part2 #16

 

 

 

アスナロウ

アスナロウ

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「サンデーパーク」

何気ない日曜日の情景を切り取った幸せな雰囲気いっぱいのポップソング。

パークというのは歌詞中で夢の国、遊園地と言ってるので某ネズミランド…??

まぁ本当のインスピレーション元は分からないけど

mayukoの軽快なピアノリフが遊園地のような楽しげな空気感を表現していて、とても楽曲の歌詞に似合っていて良いなぁと思う。

こういうmayukoのプレイが印象的に残る曲って隠れてるけど良い曲多いんだよねぇ。

 

 

ナポリ

ダンサブルなデジタル風味ロック。

曲自体は凄くカッコいんだけど、歌詞は「hey my men」に続くご飯ソングに仕上がっている。というかこっから3曲連続でお遊び系の歌詞の曲が続く…笑。

ひたすら色々なご飯ネタを積み重ねていく歌詞の耳への定着度はAqua Timezの中でもトップを争うレベル。

"オリジナルになり切れない故のオリジナル"みたいな音楽性のことをインタビューで語ってるけど、そういう精神性が歌詞に反映されててあって面白いとは思う。

 

…けど、OKPをディスった歌詞は個人的にはあんまり好きじゃないなぁ。ライブMCとかでもこういう下りあったし、そういう意味では普段のラフっぽい感じの弄りなんだろうけど、解散前に太志がコラムでOKPのバンド外活動について愚痴ったりしてたし…。

 

 

「Dub Duddy~ライブ前日に見た夢~」

"Back to You"tour 2015 - 2016等で先行披露されていたナンバー。

歌詞は内輪ノリここに極まれり!な内容。一聴しても何を歌ってるのかが全く分かんない。

どうやらギターの大介の父が歌詞の題材になっているようで、歌詞中に出てくる富岡も大介の出身地であったりしている。

太志が会話する謎の寸劇も歌詞中にあったりして、とにかく今までにないくらいはっちゃけてる。「hey my men」と同じくらいAqua Timezの中でも随一のヘンテコ曲。

なんだけど、サウンドはスカ調で結構ノリが良くて好きだったりする。

 

「三日月シャーベット」

お遊び的な曲が2曲続いた後に来るのは爽快なポップロックチューン。おっ!?これは!と思ったけど、

ド頭から「銀魂フェスでBLEACHの曲をやりまくった」という内輪ノリのブチかます外しっぷり。

まぁ…でもこの曲に関しては全体的に前2曲よりももっとラフな言葉遊び的なノリが随所に感じられるし、何より楽しげで好きだ。

サビでグッと引き締めるように彼ららしい良いメロディが出てきてじっくり聞かせる構成も良いと思う。

「三日月シャーベット」というセンスしか感じない曲名もグッド。

 

 

「閃光」

7th配信限定シングル。

2015年5月に鯖江で開催されためざましLIVEの際に市役所で働く人に曲作りを頼まれたことがきっかけで完成した曲であるという。

個人的にAqua Timezと関わりのある朝の情報番組はZIP!のイメージだったので、この辺からめざましテレビとの絡みも増えた気がする。

 

シングルということもあって王道の爽やかポップス路線の楽曲。

ロックバンドとしての自己主張は抑え目でピアノ主体の優しい音にフューチャーしたアレンジになっていて、今までの楽曲で言うと「オムレット」の発展形みたいなイメージだ。

アルバムの流れ的には少し外した楽曲が続いた所でこの曲でグッと舵を切り取りなおして軌道修正。ここからラストまでメッセージ性の強い楽曲が続く。

 

 

Pascal

ほぼアコギと歌だけというシンプルな構成で歌われるバラード。

ここ数作は外部プロデューサーに参加してもらったりしてアレンジ面での進化が著しかったけど、この曲は余計な味付けは要らないとばかりにシンプルなサウンドになっており、それにゆえに太志の歌詞もメロディも凄くダイレクトに伝わってくる。

 

「人間は考える葦である」

これはパスカルの言葉で曲名もラストの歌詞もおそらくここから採られているのだろうけど、これに関連してこの曲は「考えること」が大切であるメッセージ性なのかなと個人的には思う。

みんなまっさらな善人でいたいけど、汚い部分は生きてたら何処かしらに生まれてしまう。さりげない心遣いや優しさにはなかなか気が付けないし、なんなら文句つけたり悪態をついたり恨んだり…。

だから どうすればいいか私たちは悩むし、考える。

それが取り返しのつかなくなる前に。でも大切なものは過ぎ去ってから気づくのが常なんだよね…うーむ。

そして繰り返される"今しかない"というメッセージから次の曲「生きて」に繋げるのは非常に憎い演出だと思う。この曲は個人的には「生きて」とセットのイメージが強いかな。

 

自分が大好きな「Perfect World」に似た雰囲気があるというのもあるとは思うけど、このアルバムで1番良い曲はこの曲なんじゃないかなと思う。

 

 

「生きて」

17thシングル。

仲間由紀恵主演のドラマ「SAKURA〜事件を聞く女〜」主題歌として起用された。

 

爽やかな雰囲気をまとったストレートなロックチューン。

この手のタイプの曲がシングルに出てくるのは何気に久々だったりする。

今までならこのメッセージ性ならミディアムチューンかバラードにしそうなんだけど、

あえてのアップテンポのロック調を取ったというのが面白い。

同年にリリースされたアルバム「エルフの涙」では楽曲のイメージに最もマッチする形でのアレンジが為されていて、ロックサウンドに囚われないサウンドになっていたので、その反動でロックバンドとしてのAqua Timezをここでガツン!と聞かせたのかなぁと個人的には思っている。

 

歌詞は"自分の嫌なところも人の嫌のところも全部受け入れていく"ことを表明したうえでの生への肯定がテーマで、それゆえに前向きさなのでとても力強いし、個人的にもとても勇気づけられた思い出がある。

このような「生きていくことは素晴らしい」という前向きなメッセージは実に太志らしいけど、実はここまで言い切るほど力強い歌詞ってキャリアを通しても無くて、全シングルの中でも1,2を争うメッセージ性の強い曲だったりする。

 

ライブではリリース後はほぼ皆勤レベルで披露されている。

正直全盛期と比べてあんまり売れなかった曲ではあるけど、メッセージ性の強さからも

もっと多くの人に届けたかった曲なんだろうなぁ…としみじみ思う。めっちゃ良い曲。

生きて

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Music Videoが存在している。

久々なストレートなロックに仕上げたシングルだったのでシンプルなライブ演奏をぐるぐる回りながら撮るよくあるタイプの映像(GLAYの誘惑とかラルクHONEYとか)。

メッセージ性が強い曲なので歌詞が表示されている…って書こうとしたけど、

割と後期のMVには歌詞の登場率高かったので別に「生きて」だけが特別というわけじゃなかった…(笑)

 

 

「魔法を使い果たして」

アルバムを締めくくる優しい雰囲気のバラード。

ざっくりと「生きること」に関連するテーマが「Pascal」「生きて」と続いてきたが、

締めとなるこの曲は強いメッセージ性が云々というよりか

2曲のテーマを総括しつつも、それらを暖かく包み込むような幸福感の溢れる歌詞でとても穏やかなアルバムのラストに仕上がっている。

過去のアルバムのラスト曲に比べるとやや印象が薄いものの、メッセージ性の強い曲が続いたので、最後にそれらをまとめ上げるのはこういう優しい曲が似合ってると思う。

 

余談だけど、

ちょっと前にシングル「エデン」のC/Wの「クランベリージャム」って曲があったけど、曲の全体的な行進曲のファンジーっぽい感じとか多国籍っぽいサウンドの感じとか似ているなぁと感じる。

 

 

Extra

「最後までⅡ」C/Wラズベリージャム」

2013年に北乃きいに提供した楽曲のセルフカバー。

提供したほうは「エルフの涙」期のようなファンタジックなポップロックだったんだけど、セルフカバーはそれをバンドサウンドできっちり再構成しなおした、って感じ。

 

「12月のひまわり」C/W「岐阜と」

新曲がギフトということでギフトかgift表記だと思ったらまさかの「岐阜と」表記。

まぁおそらくこの2つのダブルミーニングだと思うけど。

テーマとしては「12月のひまわり」と同様の故郷や過去で、一方でおそらく太志本人の思い出が詰まっているであろう固有名詞がいっぱい登場するので、よりパーソナルな内容にフォーカスしている感じ。

 

 

 

夏川椎菜「ケーブルサラダ」雑感

 

 

ケーブルサラダ

ケーブルサラダ

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夏川椎菜の3rdアルバムが出ました。

前回は3年ぶりでしたけど、今回は1年9カ月ぶり。リリースペースはだいぶ早めですね。

 

今までのアルバム感想記事はこちら↓

redhotshow.hatenablog.com

 

 

redhotshow.hatenablog.com

 

 

個人的に「ログライン」は大名盤だ!と上げまくって評価しまくってたんですけど、続く「コンポジット」の方向性があまりハマらず、そっからすっかり夏川推し熱は冷めてしまってました。

シングル2枚も一応買って聞いてはいたけど、まぁ良いんじゃない?くらいで軽く流してあんまり聞いてなかったっす。

そんな期待値低めで迎えた「ケーブルサラダ」…。

 

かなり良かったです笑。

 

 

まぁ単純に「コンポジット」は音を重ねてロックバンドするぜ!みたいな音像だったわけでそれがあんまり気に入らなかったんだけど、

その揺り戻しで作風がポップ寄りに回帰した所が個人的に良かった。

 

あと音も気持ち、少し軽くなった感じ。足し算なサウンドメイキングから引き算になって、前作比で音にメリハリが出てきた気がする。

ちょうど「ログライン」と「コンポジット」の中間のような音作りで「これだよこれ!これを求めてたんだ!」となりました。

 

「I Can Bleah」みたいなちょいダサディスコみたいなダンスミュージック路線も復活してるし、イントロがまんまCymbals(沖井礼二)なナイスなポップス「消えないメランコリー」なんていう俺のツボを刺激しまくるグッドソングがあったり、

黒髪夏川時代を彷彿とさせる「コーリング・ロンリー」なんかがあったり、

書き下ろしの新曲がめっちゃ充実してる。

 

 

個人的なベストトラックは「Bluff 2」。

これは自分のオールタイムベストバンドであるAqua Timezのギタリストだった大介が作曲、編曲で参加している曲。

大介はバンド時代は作曲にはほぼ関与してなかったけど、凄い良いメロディだし、(なんならちょっと太志みも感じる)

あのバンドは活動期間中、しばらくプロデューサーを入れないで編曲してたので、サウンドメイキングは折り紙つきで、

ロックとポップの絶妙なミックス具合はAqua Timezを彷彿とさせる感じでエモい。

特にギターサウンドは何度も聞いたギターの音色がそのままで特にギターソロなんか懐かしすぎて泣けるレベル。「向日葵」のギターソロみたいじゃんこれ!!!!

最高ですね。

 

リード曲の「ラフセカンド」も「ファーストプロット」を彷彿とさせる感じで良かった。

 


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夏川ファン熱がすっかり冷めてたのに、こんなタイミングで熱が復活するような曲群に出会えるとは思わなかったっす。

いやはやこれは名盤ですよ。超良かった。トラセの新作にも冷めたタイミングだったのでそろそろファンも潮時かぁと思っていたので、まだしばらくはファンでいられそうです。

 

ライブも別に良いか…でチケット取ってないんですけど、こんなに良いなら日程合いそうなら行こうかな…。

 

 

Aqua Timez 「アスナロウ」Part1 #15

 

アスナロウ

アスナロウ

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Aqua Timez 7th Album。

2016年12月14日リリース。

 

シングル「生きて」「最後までⅡ」「閃光」「We must」「12月のひまわり」収録。

10周年のベストアルバムを挟んで2年4か月ぶりとなるオリジナルアルバム。

「カルぺ・ディエム」以降バンド単位での作曲や外部プロデューサーの参加等が続いたが、今作は全曲作詞作曲を太志が担当。2曲を除いて編曲もバンドのみの名義に戻っている。楽曲的にはここ数作で広げてきた音楽性を自分たちの手でさらに高みへ…といった感じで、そういった意味からも今までのAqua Timezの歴史の集大成、最高傑作的な雰囲気を感じられる力作だと思う。

一方でセールス面では振るわず、初のオリコンチャートTOP10落ちとなってしまったり、歌詞における内輪ノリ的な顕著に目立ってくるという面であったり、外への求心力の低下に個人的にはやや先行きに不安を覚えた作品でもあったりした。

 

 

 

アスナロウ」

本作のリードトラック。

初期のミクスチャーロックっぽさを織り込みつつも、尖ったラップ詞、エキゾチックなサウンドスケープ、ここにきて新しいAqua Timezのロック像が提示された1曲だ。

最初聞いた時はこれがリードトラック?とビックリした。

所謂ロックなAqua Timezはパブリックイメージとは異なっていて、どちらかというとアナザーサイド的な扱いだったので、

あえてこれをリードトラックに置いたというのが彼らの自信を強く感じられる。

実際、この1曲でAqua Timezに持っているであろうポップなイメージをガラリと変えられるようなカッコよさが詰まっている。

マジで良い。後期Aqua Timezでも群抜いての傑作だと思う。

 


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Music Videoが存在している。モノクロの映像とバンド演奏のみに焦点を置いた映像で楽曲のクールさ、カッコよさを源泉かけ流しで表現したような感じ。良い。

 

 

「最後までⅡ」

18thシングル。テレビアニメ「銀魂。」のエンディングテーマとして起用された。

以前に「最後まで」という曲がリリースされていたが、その続編的な楽曲(太志曰く後付けらしいが)。

「最後まで」は部活をやっている高校生の声を聴いて制作された応援歌だったが、それを受けて「最後までⅡ」は自分にも発破をかける実践編としての続編だそうで…。

確かに歌詞の面では「最後まで」ティーンエイジャー目線の詞の描き方だったけど、今回は(太志にとっての)等身大で力強い感じの応援歌になってる感じはする。

サウンド面でエッジの効いたギターロックになってるのも歌詞に強い雰囲気にマッチしてると思う。

そういう風に見てみると確かにこの曲は「最後まで」の続編だなぁと感じる。

 


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Music Videoが存在している。

なかなかダークな色合いの映像。ドラマパートは登場人物が多すぎてどういった意図なのかがぼやけて謎映像になっててよく分かんないけど、土砂降りの中で歌う太志は画になってる。

 

 

 

「空想楽」

47都道府県ツアー「Back to You tour 2015-2016」で先行披露されていた1曲。

ネオアコっぽい入りなんだけどサビに入るとEDM特有のドロップが展開する…という彼らの楽曲中でも随一の異色曲。

これ、先行披露のライブで実際に聞いたんだけど、Aqua TimezにEDMがどうしても結びつかなくて見ながらポカーンとしてしまった。会場も割とポカーンとなってた。

アスナロウ TOUR」でも披露されているけど、さすがにその時の観客はドロップの時の乗り方に慣れた感じだったけど、歌パートの無い太志は手持ち無沙汰だし、やっぱりこの曲だけ居心地の悪い感じがあって…。良い曲なんだけど不遇。

 

 

 

「We must」

8th配信限定シングル。

47都道府県ツアー「Back to You tour 2015-2016」のテーマ的な曲としてツアーで先行披露されており、その後、配信限定シングルとしてリリースされた。ジャケ写もそれを反映されたような物になっている。

彼らには珍しくギターがヘヴィに鳴り響いていて、ちょっぴりハードロック風味(でも歌詞とメロディは彼の王道)バラード。

ミックスもややラフで、アレンジも最小限にして、太志もヴォーカルもややざらついたテイクを採用していて、ライブの生っぽさが凄く出てる曲だなと思う。

 

 

 

「冬空」

「because you are you」収録の「音速の風景」以来となるポエトリーリーディング

ただこの曲は過去のポエトリーリーディングに比べても文章量が圧倒的に多い。

初期の頃だったらちょっとしたメロディをつけてラップ曲にしそうなくらいの分量。

 

この曲は次の「12月のひまわり」に直接繋がるような詩だ。アンサーソングとは違うけど、内容的には双子的な立ち位置なんじゃないかなと。

太志が地元の岐阜で様々な活動をし始めて、バンドの方も10周年を迎えて、

何かと故郷の事や過去を振り返る機会が増えて、その中で色々思うことがあってこういうパーソナルな詩を書き下ろしたんじゃないかなと。

個人的にはリリース当時学生だったあの頃と

大人になった今ではこの詩の自分の中での響き方はだいぶ違うし、

大人になって全て過ぎ去ってから思う感情とか思いとかが詰まっていてとても感傷的な気持ちにさせられる。

太志のポエトリーリーディングではこれが一番好き。

 

 

「12月のひまわり」

19thシングル。

Aqua Timez×岐阜市の「まだ、はじまったばかりプロジェクト」のプロジェクトソングとして制作された。のちに「情報ライブ ミヤネ屋」エンディングテーマとしても起用された。

タイトルの「12月のひまわり」を聞くと

個人的にはMr.Childrenの「CROSS ROAD」の一節を思い出すが、

太志曰く「8月に咲かせられなかった花、自分で言えば18歳の時に咲かせられなかった花があって、遅れてしまったけれど、それを今こそ咲かせたい」という思いでつけたタイトルのようだ

 

Aqua Timezの真骨頂でもあるミディアムバラード」と公式文にもあるけど、まさに彼らの良さがぎゅっと詰められたような名曲。まさかこのタイミングでこんな良い曲が来るとはリリース当時は思わなかった…。

アスナロウ」がイメージを打ち破る曲だとすると、こちらは全盛期のイメージ通りの彼の良さを最大限に拡張した感じ。らしい、王道っていう言葉がとても似あう。

一方で、

初期の「向日葵」や「小さな掌」のような歌詞の暖かさと

「エルフの涙」以降に獲得した歌詞&メロディ重視なサウンドメイキングとアレンジとがとても良いバランスで両立しており、まさに今と過去のAqua Timezの良いところを合体させた、ある意味集大成みたいな曲になってると思う。

 

ノスタルジックな歌詞でただ過去を振り返って懐かしむのではなく、前を向く力をくれるのが太志の歌詞の良さだよなと思うし、

この曲はホントはどこを切り取っても良いところしかない。

これより思い入れのある曲、好きな曲は何曲かあるけど、最高傑作が一番相応しい楽曲だと思う。

 

惜しむべきはライブでは1回しか聞けなかったことか…(ライブでは「アスナロウ」ツアーではやったけど、次のツアーとラストライブではハブられた…)。

 

 

 

 

 

 

 


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Music Videoが存在している。

全てコラボ先の岐阜市でロケが行われている。学校、校庭、公園、河川敷等々…小学校時代を彷彿とさせるようなノスタルジックな風景が映し出される。曲とのマッチは凄く良い。

歌詞のテーマが過去を振り返る内容で、また2番サビにインディーデビューアルバムの「空いっぱいに奏でる祈り」の名称が出てきたり、Music Videoに過去の映像が散りばめられていたり、少なからず今までの道のりを意識するような要素が出てきているんだけど、これが最後のシングルになるというのはなんかドラマチックでもある。

解散話がどの時点で出てかは不明だし、あくまで結果論ではあるけども。

 

 

 

 

「ソリに乗って」

日本テレビ系『PON!』12月度エンディングテーマ。

彼らには珍しいクリスマスソング。前に「プレゼント」という曲もあったけど、こちらはもっと明確にクリスマスソング!な歌詞をしてる。

それもそのはず、この曲は賛美歌としても有名なクリスマスソング「もろびとこぞりて」をフューチャーしているんだから。なんか初めて聞いた時にデジャヴを感じたのも元ネタが超有名曲だったからなんすよねぇ。

それをアイリッシュ風味のポップパンクに仕上げるなんて良いセンスしてる。

 

 

 

Extra

今回は「10th Anniversary Best 」にのみ収録された楽曲を取り上げる。

 

「さくら道」

3カ月連続配信限定シングルの第1弾。

日本テレビ系『PON!』4月度エンディングテーマ。

 

跳ねるようなリズムとポップなメロディが心地よい春にピッタリな1曲。

踊るようなピアノの演奏が曲に軽やかさと華やかさを加えてて、聞いてるだけで凄くハッピーな気持ちにさせてくれる。

歌詞に暗かったり、内省的な一面だったりするというのがこの曲は皆無。とにかくハッピー。とにかく恋愛の一番楽しい時期の感情を詰め込んだみたいなそんな多幸感満載ソングだ。

良い曲だけど、明るすぎて気分が落ち込んでるときは真正面から向き合えないタイプの曲かもしれない…笑

余談だけど、「この前向きさに君を巻き込む」という1フレーズは「エルフの涙」のキャッチコピーからの引用?で曲のモードとしても「エルフの涙」期に近い。

 

 

 

 

 

「ねがお」

3カ月連続配信限定シングルの第2弾。

「エルフの涙」期のようなほんわかしたポップス路線の楽曲。ホーンセクションの味付けが良い。

医療従事者に向けた凄く限定的な歌詞の一節があるんだけど、これも「風に吹かれて」みたいな制作エピソードがあるのだろうか。情報求む。

でもこういう「ありのままで君が良い」的な歌詞はありきたりだけど、ストレートに励まされるよな。

 

 

「シンガロング」

3カ月連続配信限定シングルの第3弾。

 

前2曲とは打って変わってバンドサウンドを押し出した爽やかなロックチューン。

「シンガロング」ってタイトルつけてるけど、そういったパートは曲中には無く、

大声で歌う、というよりかは一緒に口ずさむ、的なニュアンスなのかなと。Aqua Timezの音楽性的にもそちらの方が似合ってる感じはする。

弱さを曝け出して一緒にしゃがみ込んでくれるような暖かさ、これが太志の歌詞の真骨頂だと思うんだけど、この曲はその良さがぎゅっと詰まっている。

この3カ月連続配信限定シングルの中では1番好き。

 

 

 

 

「濃霧のち」

ベストアルバム「10th Anniversary Best BLUE」に収録された新曲。

「最後まで」のようにMusic Videoが制作されたり、タイアップが付いたり、次のオリジナルアルバムに収録された訳では無いのでどうにも影が薄い1曲。

ゲームの世界に入りこんだような世界観の歌詞と

コーラスワークを駆使した幻想的な雰囲気が特徴的。

特にアニヴァーサリーを意識した曲というわけでも無く、配信限定で出たシングルの方がキャッチーでメロディが強いわけでも無い。

サウンド的にも後にも先にもこんなテイストはこれ1曲だけなのでなんか独特の立ち位置にいる曲だなぁと思う。

 

 

 

 

Aqua Timez 「エルフの涙」Part2 #14

 

 

エルフの涙

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「滲み続ける絵画」

声に加工を掛けてる辺り昔の「独り言」なんかを彷彿とさせるけど、

「アダムの覚悟」にも近い浮遊感のあるロックチューン。

アルバム引っ提げてのツアー「Shoes and Stargazing Tour」ではなぜかセトリ外れていたんだけど、収録日の公演ではセトリin。MCでツアーでやらなかったから映像が残したかった旨を語っている。

こちらもOKPが作曲を担当している。

 

 

「ゴールドメダル」

Aqua Timezの中では割と王道なロックチューン。

音のスキマとかメロディの載せ方はもはや昔と全然違うけど、音の感じはミクスチャーロックやってた頃の昔の彼らっぽさの匂いを感じる。

このロックさに「君らしく生きることにおいて君はゴールドメダリスト」

というストレートなメッセージを載せる!とびきりキャッチーなメロディにする!というのも

"歌詞とメロディを最も活かす"という今作の方針が強く出てるんじゃないかなと思う。

 

 

「hey my men feat.OK.Joe」

ホラー映画のメインテーマみたいなイントロから

何が始まるんだ!?と思わせられるけど、まさかのヒップホップ。しかも詞はラーメンネタ。前作の「鉛色のフィクション」でもラーメンを彷彿とさせる詞は出てたけど、

ここにきて全開放。

曰く太志がMV撮影にむけての心情についてのラップ。ひたすら食について歌ってる。

OK.Joeの気の抜けた合いの手もヘンテコ感をさらに高めている。歌詞の悪ふざけっぷりは過去最高だが、今作以降もこの路線はアルバムに1曲は入ることになっていく…。

なぜかは知らないがツアーのセトリからもハブられてる。

 

 

「Fly Fish」

エレクトロ&ファンキーなダンスミュージック。

リリース直後は「The FANtastic Journey」と共にライブの盛り上げ曲として披露されていたが、サビの歌詞に合わせて左右交互に腕を振るのが定着してきた辺りでライブでの一体感を得られる唯一無二の楽曲に変貌。

リリース後のライブではほぼセトリ入りする後期Aqua Timezには欠かせない曲となった。もちろんラストライブでも披露された。

 

 

「The FANtastic Journey 」

シングル「エデン」C/W。

今作においては一番ヘヴィな音をしてるのはこの曲。なんだけど、ノリがレゲエっぽかったり、岐阜弁で歌うパートがあったりと歌詞が音のわりに親しみやすい感じだったり、

ストレートなロックチューンにはなってないちょっと捻った感のある曲。

「Wow Wow Wow!」などとコール&レスポンスするパートがあったりするので

ライブでは一時期盛り上げ役を担っていたが、コール&レスポンスよりも簡単な振りで一体感を得られる「Fly Fish」に徐々にその立場を奪われてセトリから外れるようになっていった。

 

 

「手紙返信」

3rd配信限定シングル。

Aqua Timezがこれまで受け取ったファンレターに返信をしたい」という気持ちから制作されたバラード。

寄せられたファンレターに綴られた悩みや苦しみに対して

太志も自分の弱さを曝け出してそれに向き合って歌詞を書いたという。

ここ最近は割とストレートに前向きな曲が多かったので、ここまで自分を見つめて悩みや苦しみをストレートに描いた歌詞というのは久々。それこそ初期の頃の歌詞の空気感をちょっと感じる。

やっぱりこの暗闇の中から差し込む光、みたいな感覚がAqua Timezの芯の部分だよなぁと思う。

正式リリース前にデモ音源がYoutube上にアップロードされ、ベストアルバム「10th Anniversary Best BLUE」のteam AQUA盤に収録も去れている。

 


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Music Videoが存在している。

便箋の上に歌詞が綴られるというリリックビデオみたいなテイストに仕上がっている。太志の出演も最小限であくまで「手紙を返信する」ために言葉綴られているような演出になっていて、この曲の良さをさらに際立たせている。

 

 

「エルフの涙」

アルバムのラストを飾るファンタジックなバラード。

ちょっとクラシカルな雰囲気もあるけど、ショパンの「別れの曲」に曲構成等でインスピレーションを得ているからだそう。

 

この曲は曲中で歌詞の少年が大人に成長する時間の流れが表現されていて、歌詞の視点も主人公からそれを見守る立場の大人へ変わっていく。

「手紙返信」もそうだったけど、この辺りから歌詞のメッセージの出し方が何かに対して当事者から、それを導く大人側に変わって行ってるなぁと。凄く頼もしい感じ。

勿論そこに内省的な部分は含まれるし、一概に全部がそうとは言わないけど、

歌詞の視点が変わったことで歌詞に対しても大人としての向き合い方とかが見えてきて、バンドとして伝えたいメッセージの有り方も変わっていっているんだなぁと感じた1曲。

 

 

 

「アイトワニ」

TeamAQUA盤のみ収録。

ベースのOKP(OK.Joe)、ギターの大介(Die'A'Monde)、ドラムのTASSHI(タッスィー)による変名バンド・タランチュラによる楽曲。

作詞作曲はOK.JoeということでOKPが担当。メインヴォーカルもOKP。

Aqua Timezとは異なり、ゴリゴリのロックンロール路線。

剥き出しのロックバンドっていう感じの音がAqua Timezには無いモノなので凄くカッコいんだけど、

狙ってるであろうダサい詞とOKPのねっとり歌唱がおふざけと紙一重な感じはある。

 

 

Extra

「エデン」C/Wクランベリージャム」

北乃きいに提供した「ラズベリージャム」のアンサーソングとして制作された楽曲。

ラズベリージャム」がファンタジーっぽい歌詞にポップな味付けの曲だったのに対して、こちらは現実に目に向けた内省的な歌詞&多国籍風のサウンドが特徴的なミディアムバラード。

アンサーソングということだけど、結構真逆のアプローチをしてる2曲だと思う。

歌詞だけで言うと今作における「イヴの結論」辺りをメッセージ性は近いかも。

 

エデン

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Aqua Timez 「エルフの涙」Part1 #13

 

エルフの涙

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Aqua Timez 6th Album。

2014年8月27日リリース。

 

シングル「エデン」「手紙返信」を収録。

前作から引き続き、外部プロデューサーの参加もあり、音楽性を広げつつも

より太志の歌詞とメロディに重きを置いて制作されたアルバムとなっている。

その影響でか作曲の名義は太志のモノが大幅に増えている。

今作以降はこの歌詞とメロディを最も活かす形で音楽を作っていく方向性になっていくのでその最初となった作品ともいえる。

そんな方向性が明確に定まった一方で遊び心のあるおふざけ的な曲も出てきたのもこの時期だったりする。

こういった一部の曲を除いて

今作はファンタジー的なコンセプトを基に歌詞が作られていて、一種のコンセプトアルバム的な側面も持っている。

個人的には今作こそがAqua Timezの最高傑作だと思っている。

 

 

「アダムの覚悟」

シューゲイザーやドリームポップっぽく音を重ねた浮遊感のあるサウンドスケープが特徴のロックチューン。

この手の方向性はなかなかAqua Timezでは聞かない音なのでちょっとギャップを感じる。自問自答のような内省的な歌詞でアルバムスタートから暗いなぁと思うけど、

タイトルから分かるように後述の「イヴの結論」と合わせてペアになっている。

そしてなんか太志っぽくないメロディだと思ったらOKPが作曲!

今までもアルバムのイントロ職人とか言われてたけど、ついに曲まで担当である。

 

 

「イヴの結論」

アイリッシュフォーク的なテイストを躍動感のあるリズムに乗せたポップチューン。

多国籍的な音色でこれまた今までのAqua Timezには無かったテイストでなかなか新鮮だ。

内向きだった「アダムの覚悟」の歌詞に対して

苦悩しつつも自分を見つめなおすことによる前向きな歌詞でアンサーを返しており、

その前向きな姿勢とパーカッシヴなサウンドと非常にマッチしていて良い相乗効果を生んでいる。

アルバムのキャッチコピーの一つである「この前向きさに、君を巻き込む。」を象徴するような1曲で今回のアルバムの中では個人的に1番好きな曲。

ライブではパーカッシヴという特徴を生かして、ギター大介とベースOKPの2人もドラムを用意し、3人で一緒に叩くセッションを披露する一幕もあった。

 

 

「ヒナユメ」

今作のリード曲。

「ヒナユメ」とは「青い空」の歌詞中に出てくる一節「ひなたにユメを散らかして」の略。

この曲はアコースティックなサウンドをヒップホップ的なビートに乗せていて、

今までもありそうでなかった、太志の歌詞の暖かさをサウンドのそのまま反映させたようなサウンドスケープになっている。

確かに新機軸的なサウンドではあったけど、歌詞とサウンドのマッチ具合が過去一くらい凄くて最初聞いた時に「コレだ!」と思ったのを覚えている。

歌詞とメロディを活かすという今作の方針が最も如実に表現された曲だと思う。

凄い良い曲。大好き。

 


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Music Videoが存在している。

今までもアルバム曲にMusic Videoが制作されたことは何度かあったが、正式なリード曲のMusic Videoというのはこれが初めて。

軽やかな曲調が反映されたような日光が差し込んでいる暖かなワンシーンが印象的。

ラストサビ前の太志のアカペラが雑に差し込まれる演出は…まぁご愛敬。

 

 

 

「エデン」

16thシングル。アニメ「マギ The kingdom of magic」エンディングテーマ。

シングルとしては前作から1年3カ月という過去最高のブランクとなり、チャート的に22位と振るわなかった。

 

今までもシングルでバラードはいくつかあったけど、ここまでド直球のバラードというのは初めて。

1番はピアノの伴奏のみ、2番からバンドが入ってくる、これぞバラード!みたいな曲構成。曲が進むごとにどんどんサウンドアレンジが壮大になっていって、とてもスケールの大きなバラードに変わっていくのがこの曲の特徴。

個人的な話だけど、この曲の太志のヴォーカルを覆い尽くすようなストリングスのアレンジはあんまり好きじゃない。

太志の"前向きな諦め"みたいな歌詞が反映されてて、凄く好きな詞なんだけど、それがハッキリ聞き取れない過剰アレンジだなぁとちょっと思う。

 

C/Wではピアノとベースのみをバックに歌う「LITTLE PARADE version」っていうのが収録されているんだけど、そちらはこの曲の歌詞、メロディの良さをダイレクトに感じられるのでそちらの方が断然好き。

 

エデン

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Music Videoが存在している。

このMVには太志しか出てない。珍しい。

リリックver.ということで歌詞が映像に載っているので

やっぱりこの曲は歌詞を聴かせたい曲なんだろうなと思う。

歌詞が載ってない「EVERgreen version」というものも存在しているが、ワンコーラスしか存在していないっぽい?(アルバムに収録されているのは上記のlyric versionのみ)。

 

 

「オムレット」

爽やかな失恋系のポップロック

恋愛系の曲は実は少ないことでお馴染みのAqua Timezだけど、その中でもさらに珍しい失恋ソング。

曲自体がとても爽やかなポップスに仕上がっているので

失恋の重たさみたいなものはほとんど感じられず、歌詞とは裏腹にとても晴れやかな気持ちになる1曲。

発売前にYoutubeで公開されたアルバムのSPOT映像の最後でこの曲のサビが使われているんだけど、そのキャッチーさ具合に「これアルバム曲なの???」とビビったのを覚えている。このアルバムはとにかくメロディが良い曲が多い。

 

 

「赤い屋根が見える丘へ」

フィドルの演奏が特徴的なワルツ系ポップス。

Aqua Timezでワルツ!?これまたビックリしたが、これが上手い事ハマってる。

サウンドの方向性としては多国籍っぽい感じが「イヴの結論」と近いが、

やはりフィドルの独特の音がこの曲の方向性を決定づけていて、

ボーイミーツガールな歌詞も相まって今作でも特にファンタジーっぽい曲に仕上がっている。

 

日の当たる晴れやかな草原と丘、そこで待ち合わせる僕と君、

経験したことは無いけどなんだかそんなノスタルジックな気持ちになる光景が脳裏に思い浮かんでくる。

それは子供の頃に夏休みに夜更かしして金曜ロードショージブリ映画を見た時のような…

そんなワクワクをちょっとだけ思い出させてくれるような曲(個人的妄想込み込み)。