「サンデーパーク」
何気ない日曜日の情景を切り取った幸せな雰囲気いっぱいのポップソング。
パークというのは歌詞中で夢の国、遊園地と言ってるので某ネズミランド…??
まぁ本当のインスピレーション元は分からないけど
mayukoの軽快なピアノリフが遊園地のような楽しげな空気感を表現していて、とても楽曲の歌詞に似合っていて良いなぁと思う。
こういうmayukoのプレイが印象的に残る曲って隠れてるけど良い曲多いんだよねぇ。
「ナポリ」
ダンサブルなデジタル風味ロック。
曲自体は凄くカッコいんだけど、歌詞は「hey my men」に続くご飯ソングに仕上がっている。というかこっから3曲連続でお遊び系の歌詞の曲が続く…笑。
ひたすら色々なご飯ネタを積み重ねていく歌詞の耳への定着度はAqua Timezの中でもトップを争うレベル。
"オリジナルになり切れない故のオリジナル"みたいな音楽性のことをインタビューで語ってるけど、そういう精神性が歌詞に反映されててあって面白いとは思う。
…けど、OKPをディスった歌詞は個人的にはあんまり好きじゃないなぁ。ライブMCとかでもこういう下りあったし、そういう意味では普段のラフっぽい感じの弄りなんだろうけど、解散前に太志がコラムでOKPのバンド外活動について愚痴ったりしてたし…。
「Dub Duddy~ライブ前日に見た夢~」
"Back to You"tour 2015 - 2016等で先行披露されていたナンバー。
歌詞は内輪ノリここに極まれり!な内容。一聴しても何を歌ってるのかが全く分かんない。
どうやらギターの大介の父が歌詞の題材になっているようで、歌詞中に出てくる富岡も大介の出身地であったりしている。
太志が会話する謎の寸劇も歌詞中にあったりして、とにかく今までにないくらいはっちゃけてる。「hey my men」と同じくらいAqua Timezの中でも随一のヘンテコ曲。
なんだけど、サウンドはスカ調で結構ノリが良くて好きだったりする。
「三日月シャーベット」
お遊び的な曲が2曲続いた後に来るのは爽快なポップロックチューン。おっ!?これは!と思ったけど、
ド頭から「銀魂フェスでBLEACHの曲をやりまくった」という内輪ノリのブチかます外しっぷり。
まぁ…でもこの曲に関しては全体的に前2曲よりももっとラフな言葉遊び的なノリが随所に感じられるし、何より楽しげで好きだ。
サビでグッと引き締めるように彼ららしい良いメロディが出てきてじっくり聞かせる構成も良いと思う。
「三日月シャーベット」というセンスしか感じない曲名もグッド。
「閃光」
7th配信限定シングル。
2015年5月に鯖江で開催されためざましLIVEの際に市役所で働く人に曲作りを頼まれたことがきっかけで完成した曲であるという。
個人的にAqua Timezと関わりのある朝の情報番組はZIP!のイメージだったので、この辺からめざましテレビとの絡みも増えた気がする。
シングルということもあって王道の爽やかポップス路線の楽曲。
ロックバンドとしての自己主張は抑え目でピアノ主体の優しい音にフューチャーしたアレンジになっていて、今までの楽曲で言うと「オムレット」の発展形みたいなイメージだ。
アルバムの流れ的には少し外した楽曲が続いた所でこの曲でグッと舵を切り取りなおして軌道修正。ここからラストまでメッセージ性の強い楽曲が続く。
「Pascal」
ほぼアコギと歌だけというシンプルな構成で歌われるバラード。
ここ数作は外部プロデューサーに参加してもらったりしてアレンジ面での進化が著しかったけど、この曲は余計な味付けは要らないとばかりにシンプルなサウンドになっており、それにゆえに太志の歌詞もメロディも凄くダイレクトに伝わってくる。
「人間は考える葦である」
これはパスカルの言葉で曲名もラストの歌詞もおそらくここから採られているのだろうけど、これに関連してこの曲は「考えること」が大切であるメッセージ性なのかなと個人的には思う。
みんなまっさらな善人でいたいけど、汚い部分は生きてたら何処かしらに生まれてしまう。さりげない心遣いや優しさにはなかなか気が付けないし、なんなら文句つけたり悪態をついたり恨んだり…。
だから どうすればいいか私たちは悩むし、考える。
それが取り返しのつかなくなる前に。でも大切なものは過ぎ去ってから気づくのが常なんだよね…うーむ。
そして繰り返される"今しかない"というメッセージから次の曲「生きて」に繋げるのは非常に憎い演出だと思う。この曲は個人的には「生きて」とセットのイメージが強いかな。
自分が大好きな「Perfect World」に似た雰囲気があるというのもあるとは思うけど、このアルバムで1番良い曲はこの曲なんじゃないかなと思う。
「生きて」
17thシングル。
仲間由紀恵主演のドラマ「SAKURA〜事件を聞く女〜」主題歌として起用された。
爽やかな雰囲気をまとったストレートなロックチューン。
この手のタイプの曲がシングルに出てくるのは何気に久々だったりする。
今までならこのメッセージ性ならミディアムチューンかバラードにしそうなんだけど、
あえてのアップテンポのロック調を取ったというのが面白い。
同年にリリースされたアルバム「エルフの涙」では楽曲のイメージに最もマッチする形でのアレンジが為されていて、ロックサウンドに囚われないサウンドになっていたので、その反動でロックバンドとしてのAqua Timezをここでガツン!と聞かせたのかなぁと個人的には思っている。
歌詞は"自分の嫌なところも人の嫌のところも全部受け入れていく"ことを表明したうえでの生への肯定がテーマで、それゆえに前向きさなのでとても力強いし、個人的にもとても勇気づけられた思い出がある。
このような「生きていくことは素晴らしい」という前向きなメッセージは実に太志らしいけど、実はここまで言い切るほど力強い歌詞ってキャリアを通しても無くて、全シングルの中でも1,2を争うメッセージ性の強い曲だったりする。
ライブではリリース後はほぼ皆勤レベルで披露されている。
正直全盛期と比べてあんまり売れなかった曲ではあるけど、メッセージ性の強さからも
もっと多くの人に届けたかった曲なんだろうなぁ…としみじみ思う。めっちゃ良い曲。
Music Videoが存在している。
久々なストレートなロックに仕上げたシングルだったのでシンプルなライブ演奏をぐるぐる回りながら撮るよくあるタイプの映像(GLAYの誘惑とかラルクのHONEYとか)。
メッセージ性が強い曲なので歌詞が表示されている…って書こうとしたけど、
割と後期のMVには歌詞の登場率高かったので別に「生きて」だけが特別というわけじゃなかった…(笑)
「魔法を使い果たして」
アルバムを締めくくる優しい雰囲気のバラード。
ざっくりと「生きること」に関連するテーマが「Pascal」「生きて」と続いてきたが、
締めとなるこの曲は強いメッセージ性が云々というよりか
2曲のテーマを総括しつつも、それらを暖かく包み込むような幸福感の溢れる歌詞でとても穏やかなアルバムのラストに仕上がっている。
過去のアルバムのラスト曲に比べるとやや印象が薄いものの、メッセージ性の強い曲が続いたので、最後にそれらをまとめ上げるのはこういう優しい曲が似合ってると思う。
余談だけど、
ちょっと前にシングル「エデン」のC/Wの「クランベリージャム」って曲があったけど、曲の全体的な行進曲のファンジーっぽい感じとか多国籍っぽいサウンドの感じとか似ているなぁと感じる。
Extra
「最後までⅡ」C/W「ラズベリージャム」
2013年に北乃きいに提供した楽曲のセルフカバー。
提供したほうは「エルフの涙」期のようなファンタジックなポップロックだったんだけど、セルフカバーはそれをバンドサウンドできっちり再構成しなおした、って感じ。
「12月のひまわり」C/W「岐阜と」
新曲がギフトということでギフトかgift表記だと思ったらまさかの「岐阜と」表記。
まぁおそらくこの2つのダブルミーニングだと思うけど。
テーマとしては「12月のひまわり」と同様の故郷や過去で、一方でおそらく太志本人の思い出が詰まっているであろう固有名詞がいっぱい登場するので、よりパーソナルな内容にフォーカスしている感じ。