はい、この度よーーーーうやく夏川椎菜の2ndアルバム「コンポジット」がリリースされました。
前作から約3年ぶりとなるフルアルバム。TrySailとしても他のメンバーのソロとしてこんなに期間は開かないので(だいたい2年スパン)、本当待望のリリース!って感じですね。
夏川椎菜推しゆえに今回も感想記事を書きます。
前作以降のシングルの感想記事 ↓
今回のアルバム「コンポジット」を語るうえで外せないのは"喜怒哀楽"という感情のテーマ性。
「アンチテーゼ」が"怒"、「クラクリトルプライド」が"楽"と
それぞれ喜怒哀楽の一部を担ったシングルが今まで2作出てましたが、
アルバムもその流れに沿って、
喜怒哀楽を変化をアルバムで表現した内容に仕上がっています。
シングル段階でざっくりアルバム像が見えていたっぽいし、コンセプトの強さっていう部分では前作「ログライン」よりカチッとしてる感じしますね。
もう1つ、外せないテーマは「生バンド」と「ボカロ」。
2020年年末から2021年にかけて生バンドを率いて「Pre-2nd tour」を敢行しており、
その影響を受けてか、生バンドで演奏するということを前提としたような曲が多い。
「ボカロ」は以前から夏川さんの影響源として語られてきたけど、「アンチテーゼ」でその欲求は爆発したようで、今作ではボカロ的なアプローチの曲が割とそのまま曲の人選やアレンジに出てる感じ。
「コンポジット」を語るうえで重要な要素はこんなもんかな。
で、そのうえで個人的な「コンポジット」へ感想はどんなもんかっていうと…
良いんじゃない!?ログラインの方が好きだけど
っていう…。
完璧の俺個人の好みの話だけど、
「ログライン」で好きだったダンサブルなチューンはほぼ皆無になってたのが残念だった。「シマエバイイ」「フワリ、コロリ、カラン、コロン」をはじめとして結構ビートを聞かせた曲が多くて、
明らかにEDMやダンスミュージックをリファレンスとして置いている感があったんだけど、今作はそれをまるまるボカロに置き換えられてる感じ。
そもそも「Pre-2nd」の時点でこういうダンサブルな曲が多いのにサポメンにキーボードがいないっていう時点で察してはいたんだけど…
「パレイドのあの印象的なシンセフレーズを流すだけって…」みたいな感情になってたのは秘密。。
あと音が過密すぎる。
なんか夏川さんがトラックダウンまで参加してアイデア出ししてたって言ってて、
「割とマジで本格的に制作に関わってるやん」ってなったんだけど、
これまた個人的な好みだけどもっと音にスキマがある方が好きだし、引き算じゃなくて足し算のサウンドメイキングだなぁ~~~って感覚。
さらにボカロ的だと曲が性急な展開を求めてきていたりして、しょーじき聞き疲れした。ライブで見たらまた違った印象を持つんだろうけどね。
あとごくごく単純にもっと可愛い曲聞きたかったなぁと。「That's All Right!」とか「すーぱーだーりー」とか。
と、ざっと不満点というか微妙な点を挙げてきましたけど、
基本的にはこのアルバム好きです。
オタクはよっぽどのことが無いと推しの声で歌われる曲は嫌いになれないんすよ。
確かに音が過剰すぎて聞き疲れするのは間違いないんすけど、
夏川さんの手掛ける詞のセンス、というか世界観を構築する能力は「ログライン」時とはかなり進化してるし、
田渕智也が手掛けた「クラクリトルプライド」「ハレノバテイクオーバー」という
大名曲が2曲も入ってる時点で嫌いになれるわけないんすよねぇ。田淵さんの夏川椎菜への理解度の高さも素晴らしいし、何よりドラマチックな曲展開が文句なしで素晴らしい!
それ以外だと「ミザントロープ」が「パレイド」直系の聴かせるミディアムチューンでメロも歌も超エモかった。
音がシューゲイザーっぽくて分厚いのも良い(これは例外)。本人はこういうの歌うの苦手って言ってるけどどんどんやってほしい。
また何回か聞いたら感想変わるかもしれないけど、
いっこ言いたいのは次ライブやるときはサポメンにキーボード入れて下さい。マジで。