「刻 〜Interlude〜 」
時計の音と心臓の鼓動音などによるインスト曲。
今までのインスト曲はそれ単体で成立する楽曲であったけど、この曲は「カルぺ・ディエム」と「メメント・モリ」を繋ぐ幕間みたいな感じ。
「メメント・モリ」
シットリとした平メロパートとパンキッシュな爆音ロックのサビパートと静と動が曲の中でハッキリとしている珍しい楽曲。
太志曰く「こういう曲は昔からやってみたかった」とのこと。
…と言っても以前に「決意の朝に」のC/W「淋しき我ら」で似たようなことをやっているのでそれのブラッシュアップ版と言われると腑に落ちる。
「今を生きること」に焦点を置いた前向きな歌詞は凄く好きだ。壮大なテーマなのも悪くは無いけども、やっぱり等身大な歌詞の方が俺は好きだな。
「風に吹かれて」
シングル「真夜中のオーケストラ」のC/W。
『第90回全国高等学校ラグビーフットボール大会』テーマソングとして起用されている。
ストリングスがフューチャーされた暖かいミディアムバラード。
2番で急に「手術」っていうワードが出てくるけど、
この曲はラジオに「脳の手術を受ける8歳の息子を励ましてほしい」というメールが来たことによって制作された楽曲だから。ゆえに歌詞の視点も小さな子供に寄り添ったような目線で描かれていて、心がホッコリする。
そういう楽曲なので正直な所タイアップとマッチしているかと言われると…凄く微妙な曲でもある。サビの歌詞は辛うじてあってるか…?
Music Videoが存在している。
レコーディングの際の映像やスタジオでの演奏で構成されている。この時期の大介とかTASSHIの髪型はいつ見てもしっくりこない(笑)
「MILKY BLUES」
炭酸のシュワッ!とするような爽やかさを感じられるAqua Timez流ポップパンク。
前向きでポップな感じの音作りはどちらかという前作「うたい去りし花」の路線に近い気もするが、あの頃よりも音がクリーンでロックからポップな音作りになってる感じがする。
「Let Loose」
ちょっとダサさすら感じるロカビリー風味のロックチューン。
母ちゃん、ばあちゃん、岐阜関連の太志のパーソナルの部分の歌詞が出てくるけど、
真面目なメッセージソングではなく、響き重視のお遊びが増えてくるのはこの曲辺りが始まりかな。正直この手の歌詞は好きじゃないんだけど、Aqua Timezには無いタイプのサウンドなので割と気に入って聞いてた。
「GRAVITY Ø」
12thシングル。テレビアニメ「STAR DRIVER 輝きのタクト」オープニングテーマ。
ジャケ写には太志が登場している(メンバーがジャケ写に登場するのはシングル&アルバム含めて初)。
系統としては「ALONES」に近い爽やか系のロックチューン。
ただ「ALONES」がロックバンド然としていたが、
この曲はどちらかというとシンセの音も印象的でデジタルロックっぽい風味を残している。そして何よりこの曲は全てを突っ切るような爽快感が最高だ。
歌詞が「だいじょばない」くらいしか残らないくらいシングル曲の中で過去一中身が薄いけど、曲全体の疾走感とそれに伴う爽快感が全てを帳消しにしてくれる。
アニメのタイアップだけど、炭酸飲料のタイアップなんかついてる方がしっくりくる。
Music Videoが存在している。
曲名がグラヴィティゼロということで無重力的なイメージを…ってことなのか
メンバーの動きがスローにされる演出が多用されている。があんまり無重力感は感じないかな…(笑)あとやっぱりこの時期のメンバーのビジュアルはやっぱり好きじゃない。
「絵はがきの春」
11thシングル。味の素「クノール カップスープ」CMソング。
ベストアルバムリリース後、初めてのシングルということである意味
仕切り直しの1曲でもある。
子供の頃の視点が歌詞に入ってくるのは後期Aqua Timezの特徴でもあるんだけど、
それがシングルで初めて導入されたということで、個人的にAqua Timezの活動はこの曲から後期というイメージが強いかな。
「手を繋ぐ」ことが歌詞のテーマ性になっていて、それを通じて人と人との繋がりを歌ったハートウォーミングな1曲。
立ち位置的には全盛期を過ぎているので地味ではあるけども、彼らの楽曲特有の暖かさがしっかり出ている隠れた名曲だと思う。
Music Videoが存在している。
サビの歌詞から広げて、手を繋ぐことで人と人との繋がりを表現している映像。
ドラマパートは歌詞に関係ありそうで無さそうな感じで、どっちかというと「いつもいっしょ」のアナザーストーリーみたいな内容。
「銀河鉄道の夜」
アルバムのラストを飾る壮大なバラード。
アニメ映画「豆富小僧」の挿入歌として起用された。
この曲はバンドとして初めて外部プロデューサーとしてシライシ紗トリを迎えた楽曲でもある。
「銀河鉄道の夜」と言えば宮沢賢治の小説が有名だが、関連性としてはインスピレーション元かな?くらいの感じ。
「カルぺ・ディエム」「メメント・モリ」に続いて生と死といったテーマにした歌詞だが、この曲は"より生きること"への思いが強く描かれており、そういった意味でこのアルバムで歌ってきた事の集大成的な意味合いもあるのかなと個人的に思う。
また
Aqua Timezのアルバムのラスト曲は前向きなバラードというのは割といつも通り。この曲もそのタイプの楽曲。
しかし、今までは内省的な歌詞が強めなのが多かったのに対して
この曲はその中でもとりわけストレートで前向きなメッセージ性を含んでいる。
最初聞いた時はストレートすぎん?と思ったけど、今ではこの色々こねくり回してない素直な感じが好きだなと思っている。
Extra
「GRAVITY Ø」C/W 「月のカーテン」
意図的かどうかは分からないけど、このシングルは重力、月、宇宙と何かと宇宙関連のタイトルが揃っている。ただ、別に宇宙っぽい雰囲気のアレンジだったりはしない。
ぶっちゃけ個人的に特に注目して聞いてこなかった曲。
なんかねっとりしたバラードなだなぁくらいの印象しか無かった。
これを書くにあたって物凄く久々に聞いたけど、
この手のバラードだったらもっと壮大にストリングス入れたりしてそうだけど、
音がかなりコンパクトでAqua Timezにしては珍しい音像だなと思った。でもやっぱりねっとり感。
「ポケットの中の宇宙」
こっちはさらに音がシンプル。アコースティックな歌うラップ曲。
メロディも歌詞も癖が無く、肩の力が抜けたようなスッキリさが好き。リリース当時からこのシングルの中で1番好きな曲だった。
曲の随所に出てくる口笛が心地よい。
「真夜中のオーケストラ」C/W「Full a Gain」
アニメ「NARUTO -ナルト- 少年篇」オープニングテーマ。
ハードなギターリフとキャッチーなサビ。比較的今までやってきたスタイルに近いミクスチャーロックだ。
ヴォーカルに終始エフェクトが掛けられていて、かなりハード寄りなミックスの仕上がりでなかなかにロックしてて個人的に好きな1曲だったりする。
正直、「カルぺ・ディエム」リリース当時はAqua Timezらしさをこの曲に感じていたのでこれが一番好きだった笑
「because we are we tour」では太志がギターを持ってパフォーマンスしていたりした。