Quantum of Solace

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夏川椎菜「ログライン」雑感

 ついに出た!夏川椎菜 1stアルバム「ログライン」!

 

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 さっそく聞きました。

 既存曲(7曲)と新曲(6曲)の構成。既存曲については以前の全曲レビューで触れたのでそちらの記事を見てくれるとありがたいです。

 

redhotshow.hatenablog.com

 

 

 「ステテクレバー」

作詞:夏川椎菜 、作曲編曲:HAMA-kgn

夏川センセ作詞曲。

KANA-BOONKEYTALK辺りなんかを彷彿とさせる4つ打ちロックチューンでアルバムの中では一番攻撃的な1曲。

攻撃性という意味では歌詞がなかなか毒吐きなのが特徴的で

インスタグラマーDisとも取れる歌詞があったりするんだけど、ソロ曲では割と等身大の自分を歌ってきた彼女だからこそああいうちょっと自分を誤魔化すやり方に「?マーク」が付くのかななんて思ったりしました。

 

 「イエローフラッグ

作詞:ワタナベハジメ、作曲編曲:HAMA-kgn

旗を掲げて自分の好きなものを好きって言おうぜっていう歌。

ちょっとラップ調になるくらいに歌詞が詰め込んであって(ついでに内容がそこそこ尖ってる)、サウンド的にもちょっとファンキーなビート。

私についてこい!的な(超訳)力強さがカッコよくて、ナンス!ナンちゃん!じゃなくて夏川さんって感じ。

あと個人的なイメージは「民衆を導く自由の女神」。

 

 

 「キミトグライド」

作詞:ワタナベハジメ、作曲:高阪昌至

ミディアムテンポのギターロック。

毒吐きの要素が強かった上の2曲と比較してこの曲は春の終わり、そして別れと旅立ちみたいな雰囲気の歌詞で気怠く歌うヴォーカルスタイルもノスタルジックさを演出していてすごく良い。

あと聞いてて思ったのはこういう感じのロック、なんかBUMPとかRADの影響受けたバンドにありそうじゃない???

 

「チアミーチアユー」

作詞:夏川椎菜、作曲:浅利進吾

Taylor Swiftの「Shake It Off」?と一瞬思うようなハンドクラップイントロから始まるアルバムの中でもとびきりポップなナンバー。

「こんな夏川だけど応援してね」「こんな夏川が応援します」という応援しつつも自分を奮い立たせるという内容で、刺々しくも無くてひたすら明るい。

こういうのが実は声が高い彼女本来の声質に一番合ってる曲だなと再認識。

あとこの曲が特に顕著なんだけど凄くビートが強い。ドラムとベースがブイブイ言ってるし、演奏も聞かせるぜ!な感じがするのでライブは生バンドが良いなぁと思いました。

 

 「シマエバイイ」

作詞作曲:SHIBU

 「フワリ、コロリ、カラン、コロン」に続くEDMチューン。

勝手に「片づける=仕舞う」だと思ってたら

「~なんか消してしまえばいい」の方の意味でなかなか過激で「ステテクレバー」並みに毒吐き歌詞だ。

それにしてもサウンド的には現代のEDMっていうよりかはもっと前のダンスミュージック的な要素が強い気がするんだけども。

 

 

 「ファーストプロット」

作詞:夏川椎菜、作曲:田中秀典

今作のリード曲。

自分しか救えないと歌った「パレイド」のアンサーソングとも言われている。

歌詞では「目を見て話すように歌ってみるから」「君の歌をいつか歌えるように」と明らかに歌が他者に向けられるものになっていて確かに「パレイド」とは対照的になっているなぁと思う。

でも完全に振り切った感じでもなくて「まだ不安で泣いちゃう、ホントは強くない」と内面を少しだけ見せつつも、傷つきながらも「これが私」と胸を張って言えるようになった様子は等身大の夏川椎菜って感じで凄く眩しく感じる。

サウンド的にはファンタジックな行進曲でそのあたりも「パレイド」との共通項を感じる…んだけど

別に「パレイド」のアンサーソングとして作られたわけじゃないんだってね。

これは偶然の一致…というよりかは「パレイド」のような側面も「ファーストプロット」のような側面、どっちも彼女にはあるっていうことなんでしょうね多分。

 

 

 

…ということで

新曲の感想はざっとこんな感じ。

アルバム全体としてはビートが強い曲が多いなぁと思いました。インタビューでも「ロー感が強い曲」が好きって言ってたし、その好みがガッツリ出てますね。

EDMが好きみたいなこと聞いてたんでもっとそっち寄りになるかと思っていたけど

「EDMも好きだけどああいうビート感が好き」なんだろうなと。

 

彼女が作ったプレイリストがspotifyにありますけどそういう傾向が強いっすね。

あと自分が作った「417の日にかかってたBGMプレイリスト」も同じ感じ。

 

 

 

 アルバムとしてはそこまでコンセプトが強いわけではないけど

1stシングルの曲3曲はミックスされて

キチンと今の夏川椎菜の音に生まれ変わっているのと

両極端の「パレイド」と「ファーストプロット」を最初と最後に置くことで

アルバムとしての流れに芯が出来てる感じがする。

あと変に背伸びしない等身大さがどの曲にも表れていて、どの側面も夏川椎菜!って感じ。コンセプチュアルではないけど、聞いてみればシングル集じゃなくて、アルバム聞いてるなと感じられます。

 

なので1個のアルバム作品としても結構イイ線行ってるんじゃないかなぁと思います。

少なくとも僕は大好きですね。大傑作と絶賛します。たぶん今年ナンバー1のアルバムです。

 


SonyMusic 「ログライン」 夏川椎菜