みなさん、高校生活にどんな思い出がありますか?
僕の高校時代は散々足るものでした。
たぶん高校生活を楽しめなかったという人でも思い出の一つや二つあると思いますが、
今思い返しても思い出という思い出が一個もない、本当につまらない高校生活。
中身の無い歯磨き粉のごとく絞りだして、ようやく出てくるのが「成績がめっちゃ良かった(滑り止め高校だったけど)」っていうこと、近くにブックオフがあったのでそこに入り浸ってCDを漁りまくっていたことくらいです。
今振り返ってみれば、こんな悲惨な高校生活になってしまったのは
「高校で何もしなかったから」なんだと思います。
部活も入らなかったし、文化祭も参加しなかった帰宅部で。
漫画やアニメみたいに「きっかけ」が都合よく降ってくるわけでもなし。
結局、何をするにも「最初の一歩を踏み出さないと」何も始まらないんだなぁと思います。
…なんでこんなこと急に書き始めたんだこいつ!?って思っている人もいるでしょうね。
先日、愛読していた漫画「1518! イチゴ―イチハチ!」がめでたく完結しまして、
そんなわけで柄にもなく自分の高校生活について思い返していたのです。
いわゆる「青春モノ」の作品なんですけど、同ジャンルの作品と異なるのは
実際に高校に取材を行って描かれているので凄くリアル。
主人公たちが所属するのが生徒会執行部でなんか派手な事でもするのかと思いきや、
生徒たちのオイタが過ぎて撤去されたアイスの自販機を復活させるための奮闘のお話(一巻)とか、生徒総会での執行部の奮闘のお話(3巻)とかで現実的にも普通に高校でやっているであろう題材ばかり。
ラノベ的な青春モノが多い中、今作は凄く現実的なお話です。
作中でも生徒会執行部の仕事ぶりは裏方的な役割が強くて全校生徒には認知されてなかったですし、学生時代の自分も「生徒会ってなにしてるんだろ?」くらいに思ってました。事件が起こるわけでもなく、高校生の日常をそのまま描いたような作品。
地味と言ってしまえばそれまで。
それまでなんですけど、僕はこの作品が凄く好きです。
夢を絶たれて無気力になっていた野球少年、何事にも情熱を傾けられずになんとなく進学して先輩の誘いでなんとなく生徒会に入ったヒロイン。
この2人が生徒会執行部の活動の中で目標を見つけて、一歩ずつ進んでいく…。7巻を通して徐々に徐々にです。
その過程を丁寧に描かれていて完結までの5年弱、その様子を一緒に見守っているような気持ちになっていました。
あとキャラの表情や言葉、仕草一つ取っても「ほんとに居そう、つーか同級生にいたんじゃね?」な感じで…なんというか日常の切り取り方が上手いし、キャラへの向き合い方も誠実でより等身大な高校生を感じさせます。そんなとこも魅力的でした.
そして完結した今「あぁ…凄く眩しいな」と思います。
何も無かった高校時代だったので、もはや文化祭で飛び入りでギター弾いて脚光を浴びるとか、美少女の抱える問題を解決してあわよくば恋仲になるみたいな荒唐無稽なものには憧れも何も抱かないんですけど、
今作に関しては日常の積み重ねで徐々に成長していく姿を見せられるので
「あの時、部活に見学に行っておけばなぁ」とか「あの誘いを断らなかったらなぁ」とか自分への後悔が・・・凄い(苦笑)
あと単純にこの生徒会で一緒になっていろんなことしてみたい、もっとキャラたちのことを知りたいなって思っちゃいました。
こうやって自分のような青春ゾンビを生んでしまう罪な作品ですが、
高校生が遥か昔になってしまった僕でも「何かを始めるきっかけと一歩進む勇気」を今作から貰えました。
高校だろうと社会に出てからだろうとやっぱりドラマチックなことも都合のいいきっかけは降ってきませんからね。
なんかすごくクサイこと言ってる気がするけど、
たまにはいいよね。
願わくば、どこかで彼らのこの先のお話をどこから読めたらなぁなんていう思いを抱きつつ…。
『1518!イチゴーイチハチ!』最終巻発売です。また会う日まで! #イチゴーイチハチ pic.twitter.com/czjTkK52ZL
— 相田裕@イチゴーイチハチ!⑦(完) (@aidayu02) 2019年4月11日