Quantum of Solace

好きなことを書きたいときに

Aqua Timez『「七色の落書き」』 #2

 

 

Aqua Timez 2nd mini Album。

2006年4月5日リリース。

 

今作をもってメジャーデビュー。リリース直前にドラムのアビコが脱退した(レコーディングやアーティスト写真等には参加している)。

オリコンチャート5位。

 

このアルバムに関しても後追い。

今聞くとインディーズの「空いっぱいに奏でる祈り」とあんまりノリが変わらないなと思う。というのも初期から存在する曲が3曲も入っているから。

「シャボン玉Days」だけ飛びぬけてポップだけど、これも昔からある曲だし。

録音、アレンジ等は前作よりお金かかってる音はするけど、

メジャー初のシングル「決意の朝に」の洗練されたポップス感はここではちょっとそこまで見えてこない。

 

 

 

「シャボン玉Days」

本作のリードトラック。

Wikipediaによると自主制作によるシングル「いつもいっしょ」に続く第二弾シングルとしてリリースする予定だった模様。

 

曲は爽やかな失恋&桜ソング。

平メロはラップ&サビはポップでキャッチーの法則はこの曲でも踏襲されているが、

サビのキャッチーさはこの曲で一気に突き抜けて、メジャーデビュー後のシングルと並べても見劣りしないレベルになっていてビックリする。

 

そして何といってもこの曲の最大の特徴は2段構えのサビ。

1番は割と甘々しいラブソングなんだけど、2番では既にその2人は別れてしまっていてその後の変化に少し切なくなる歌詞になっていて、それぞれでサビのメロディーが異なっている。ここのセンスは脱帽したし、曲の雰囲気も変わるから今でも凄いなって思ってる。

歌詞は最後、元カノから結婚しましたというハガキが来るというオチ。

「いつもいっしょ」ではあんなドラマみたいな再会したのにこの落差よ。

曲の構成と歌詞のドラマ性も相まって、個人的には彼らのキャリアの中でも印象深い1曲だったりする。

 

 

今作は大ヒットした前作「空いっぱいに奏でる祈り」とシングルとしてヒットし紅白出場を果たした「決意の朝に」に挟まれて、やや地味の立ち位置になっているが、

この「シャボン玉Days」は2015年に配信で日本レコード協会よりゴールド認定(10万セールス相当)を受けており、きちんとヒットしていたことが分かる。

 

 

Music Videoが存在している。

学校の音楽室?みたいな教室が舞台。

前作のMVにあった太志のオラオラした雰囲気は何処へやら。パッと見、爽やかな好青年に。ドレッドのOKPもどこか優しげな感じ。

これがメジャーデビューか…。


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「自転車」

Aメロ~Bメロとシットリと歌っていき、サビでギアが入ると一気にアップテンポのロックチューンに変化、そのまま一気に駆け抜けていく…そんな爽快感たっぷりな1曲。

ライブで演奏される際は1番のシットリのパートからフルスロットルで駆け抜けていくアレンジがされることがほとんど、凄く盛り上がったのをよく覚えている。

 

そういったこともあって、

リリースからだいたい2011年の「Carpe diem Tour」辺りまではライブでの盛り上げ役を担った定番で、サビではタオルを振り回すのが恒例だった。

その後は「Fly Fish」や「The FANtastic Journey」に立ち位置を取って代わられた感があったけど、満を持してラストライブで復活。

個人的に1番Aqua Timezが好きだった時期によく聞いた曲なので、この曲を聞くと色んなライブの思い出が蘇ってくるし、Aqua Timezのライブといえばこの曲!というイメージが今でもある。

 

「未成年」

mayukoの演奏をバックに語るポエトリーリーディング

自分を飾り立てて良く見せようとするよりも人とキチンと人と向き合って触れあうことの大切さを歌っている。

太志のイントネーションがちょっと気になる。

 

 

 

「ひとつだけ」

リリースの順番的にはラップっぽい歌い方が無くなった初めての曲。

ポエトリーリーディングとの繋がりも踏まえてみると

この曲は特に歌詞を聞かせることに重点を置いてることを感じる。

人と向き合うことはこの後の曲でも散々歌われているけど、その最初の一歩で核になる重要な1曲だと思う。

…と言いつつもメロディが華やかでは無いので、個人的に彼らの曲の中でも印象の薄い曲だったりする。ごめんなさい。

 

 

Music Videoが存在している。

本作リリース直前に脱退したドラマーのアビコは参加しておらず、既にTASSHIになっている。

収録されたのが2006年のアルバム「風をあつめて」なのでおそらくその頃制作。

詳しくないのでわかる人がいたらコメントください。

 


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「Mr.ロードランナー

ヘビーなギターリフと分厚いバンドサウンドで聞かせるミクスチャーロック路線全開な1曲。

今までは少なからずメロディを聴かせるパートがあったけど、この曲は頭からケツまでラップでサビも「Let me go」をひたすら繰り返すだけで言葉を叩きつけるような強さを感じられる。

Aqua Timezの中でも随一にロックな1曲。

 

ちなみにこの曲、リフが完全にRage Against the Machineの「Know Your Enemy」。

まんまパクリではないにしろ影響ガンガンに受けてるのが分かるし、この系統のリフはこの後もちょこちょこ出てきたりする。

 

2007年のシングル「ALONES」ではDJ Mass' Skate Sonic* Remixと題してリミックスされて収録されている。

ゴリゴリロックなのはそのままに原曲には無いダンスミュージック的なアプローチも感じるので、リミックスというか別アレンジver.みたいな趣き。これもこれで好き。

 

 

 

「夜の果て」

ギターの大介がバンドに加入する前に音源を聞いて感動したという逸話も存在するくらい初期から存在する曲。

平メロのラップパートは「向日葵」並みに長く、初期のAqua Timezだぁ…ってなる。サビまで2分半。長い。

曲の方向性としては「Mr.ロードランナー」に近いが、こちらの方がサビがちゃんと聞かせるメロディになっている。

 

マチュア時代の自主制作アルバム「悲しみの果てに灯る光」にも収録されていた。

おそらく同一の自主制作音源が「10th Anniversary Best BLUE」のファンクラブ限定盤に収録されている。

 

 

「words of silence」

ポエトリーリーディングの中では唯一恋愛について綴ってる詩で内容も凄く具体的で曲に後ろにある背景がそのまま想像できる。
Aqua Timezって代表曲が「等身大のラブソング」「千の夜をこえて」とラブソングだけどキャリアの中でもラブソングは実は少なくて、失恋ソングとなるとほんと片手で数えられるレベル。

その1つが「静かな恋の物語」なんだけど、その曲の世界観に入りこむためのプロローグみたいな役割を果たしてくれている。

 

 

「静かな恋の物語」

アルバムの最後を飾る失恋バラード。

同じ「失恋」がテーマであっても前向きな別れを歌った「シャボン玉Days」とは真逆で

彼女への未練と薄れてく想いへの諦念が滲むかなり切ない曲で、ピアノとアコギの優しいサウンドがこの曲の世界観に優しく寄り添ってくれている。

2009年の「still connected tour 」のアコースティックコーナーで披露されていたのが唯一ライブで見たときなんだけど、この曲ほどアコースティックなセットが似合うAqua Timezの曲って無いって思う。

 

この曲でピアノを弾いてくれる女性メンバーを…!ということでmayukoに声が掛かったという逸話もあったりして、この曲もかなり初期から存在する。

マチュア時代の自主制作アルバム「悲しみの果てに灯る光」にも収録されていた。