Quantum of Solace

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TrySail「Re Bon Voyage」聞いた感想とか

 

TrySailにとって4枚目のオリジナルアルバム「Re Bon Voyage」が9月15日についにリリースされました。

 

前作から2年半ぶりとなる今作は

5周年を経た彼女たちの新たな挑戦、新たな航海をファンに魅せてくれる意欲作。

 

今回はそんな「Re Bon Voyage」を感想なんかを述べていきたいと思います。

 

 

 

まずは発売形態から。

 

TrySailのアルバムは1stの頃から3形態で出るのが基本になっていて、

通常盤のほかに初回限定盤(完全生産限定盤とも)が2種出る。

で、この初回限定盤2種がそれぞれブックレットの内容が異なっていたり、DVDorBlu-rayに収録される特典映像が異なっていたりするんだけれども、

今回は一風変わったものだった。

 

 

まず

完全生産限定盤。

 

 

この箱みたいな奴である。TrySail関連作はやや扱いに困るような形でリリースされるものが結構あって(MV集やもちょ2nd等々…)、今回もそのパターン。

フォトフレームとリストバンド、そしてドラマCD(!?)である。

アニメの企画盤とかならまだしも、アーティストの作品の特典でドラマCDってあんまり聞かないぞ…。

実はこのドラマCDの内容とフォトフレーム、リストバンド、ブックレットは関連性があったりする。

 

 

続いて

初回生産限定盤。

こちらは完全生産限定盤には無いフォトブックとBlu-rayが付属している。

上記のドラマCDの内容とブックレット、Blu-rayともに関連性があるので

なかなかファン泣かせな売り方である。

 

そして通常盤だ。

 

まぁ自分は完全生産限定盤と初回生産限定盤を買いましたけど、

どっちを買うにしてもなかなか値が張るし、今回は特にいつも以上に高いのでなかなかお財布に優しくない。いつものことではあるけども。

 

 

お次に

楽曲の方のざっくり感想を。

 

 

1.Re Bon Voyage 

作詞:大森祥子、作曲:浅利進吾、編曲:川崎智哉

 

9月3日より先行配信された本アルバムのリードトラック。9月6日よりYoutube上でMusic Videoも解禁されている。

メーテレ「BomberE」9月度エンディングテーマとしても放映されている。

2020年のデビュー5周年、そして久々の有観客ライブとなった3月の「Double the Cape」の経てここから再スタートするという意味合いを込めたポジティブなポップソング。

ここまで明確にストレートにポップに突き抜けた曲は何気に久々な気がするし、

久々に「水平線」「帆」などなど初期にはよく見られたグループ名にもなぞらえた「航海」要素が歌詞に見られるのも"トラセらしさ"を感じられて、原点回帰をしつつも再スタートを飾るにはこれ以上にない曲だなぁ~と思いましたね。

 


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2.Favorite Days 

作詞作曲:徳丸凌、編曲:川島章裕

ライブを100%意識して作られたというポップパンク風のロックチューン。

今までもライブ映えする曲はあったけど、サビ前にコール&レスポンスパートをばっちり設けてサビでガッツリ盛り上げていく展開はまさにライブで最高に盛り上がるために作りました!感が良い。

ライブに来たファンのみんなを全力で楽しませてやるマインドがもう楽曲の時点でヒシヒシ伝わってきます。

 

 

3.この幸せが夢じゃないなら

作詞:前田甘露、作曲編曲:中野ゆう

 

10枚目のシングル「Free Turn」C/W。

1stアルバム収録の「ひかるカケラ」のような"聞かせる"トラセ曲をそのままアップデートしたような

トラセらしさと成長を両立したような本作を象徴するような1曲。

ライブ「Double the Cape」ではラストを飾り、てっきりアルバムでもラストに配置されるかなぁ~って思ってたけど…(「君となら」の欄に続く)

ちなみに今作で一番好きな曲だコレだったりする。


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4.ごまかし

作詞作曲:渡辺翔、編曲:湯浅篤

 

11枚目のシングル。

アニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」オープニングテーマ。

CD発売に先立って単独で先行配信もされていた。

 

まどマギには欠かせない渡辺翔が提供ということで、これまたまどマギに欠かせないClariSっぽさを感じるメロディーライン、アレンジな1曲。トラセにとっても渡辺翔の提供は久々。

ダークな雰囲気はあるが、Bメロからサビにかけてのメロディとストリングスアレンジは暗闇が徐々に開けていき光が差し込むような解放感を感じる。

余談だけどライブでのサビの手の振りが好きです。


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5.モノラル

作詞:松井洋平、作曲:山崎真吾、編曲:松田彬人

弦楽器が第一音で入ってきた時、めっちゃビックリした、トラセでこんなクラシカルなアレンジするんだっていう。そういった意味では挑戦的なアレンジが多かった「TryAgain」の路線の延長線上にある1曲ともいえる。

歌詞も未練たらたらラブソングでこれまたトラセっぽくない。ラブソングが多いもちょソロっぽいけども、天ちゃんがこういう未練タラタラソング好きだぁ~ってリサイタルで言ってたね。。

ライブではコーラスコーナーをよく設けているけどもその成果と言うべきが、

コーラスを重ねたり、ハモったりする場面が凄く歌詞の場面を効果的に演出している。

 

 

 

 

6.誰が為に愛は鳴る

作詞:上坂梨沙、作曲編曲:川崎智哉

 

12枚目のシングル。

High Free Spirits」「コバルト」「Believe」に続くクールでカッコいいトラセ路線の1曲。

ゴリゴリロックチューンでギターリフが凄く耳に残る。個人的には2番のBメロのデジタリックなアレンジが好き。

ただ…しっとり終わった「モノラル」の後に爆音のこれが流れてくると耳が壊れるので

interlude挟んでほしかったわ…笑

 


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7.うつろい

作詞作曲:渡辺翔、編曲:伊藤翼

 

11枚目のシングル「ごまかし」両A面シングル。

ゲーム「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」2部テーマソング。

2019年の10月に単独配信がされており、アルバムの中では最も古い楽曲となっている。

メロディの抑揚が少なく、、淡々と進むシリアスな曲調と裏腹にダイナミックなサウンド。最初聞いた時は映画のエンディングロールで掛かっていそうな感覚を覚えた。


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8.マイハートリバイバル

作詞:黒崎エリカ、作曲:大熊淳生(Arte Refact

 

トラセ史上最大の問題作「Sunsetカンフー」のぶっ飛び具合をパーティロックに落とし込んだ楽曲。

Aメロの歌詞の詰め込み具合はラップっぽいし、歌い方もかなり遊んでいる感じで"とにかく楽しい"で埋め尽くした、これまたライブ映えしそうな1曲だ。

ギターもベースもトラセの中ではかなりゴリゴリ主張してるサウンドメイクで

なんと間奏にはベースソロもギターソロも存在する。こういう音はナンスソロっぽいね。あとこの間奏の間に衣装替えかな??なんて妄想。

 

 

9.Good Luck Darling 

作詞:渡瀬マキ、作曲編曲:川崎智哉

 

アルバムに先行して9月11日よりラジオでオンエアされていた。

渡瀬マキ!?って聞いて「同姓同名の別名」って思ったんだけど違いました。本当にリンドバーグ渡瀬マキ提供でした。

純粋なポップパンクって感じで最初から最後までスピードを落とさすに駆け抜けていく感じが心地よい。

 

10.Free Turn

作詞作曲:出口遼(KEYTONE)、編曲:飯田涼太(KEYTONE)

 

11枚目のシングル。

High Free Spirits」に続いて「はいふり」タイアップ。

疾走感のある…という曲調の点は共通してるが、こちらは「別れ・旅立ち」といった普遍的なテーマが歌詞になっており、より歌詞を聞かせるためかしっとり聞かせるようなメロディパートが目立つ。そのためか曲自体に感じる温かみもあってテーマ性も相まってグッとくるものがある。


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11.ひだまりの場所

作詞作曲:徳丸凌、編曲:川島章裕

 

12枚目のシングル「誰が為に愛は鳴る」C/W。

ほっこり暖色系のミディアムチューン。シングルではそこまでピンと来てなかったけど、「Free Turn」の流れから聞くのではだいぶ印象が異なるなぁ~って思った。そういった意味ではシングルの時よりも好きになった曲かもしれない。


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12.君となら

作詞:西野蒟蒻、作曲編曲:塩野海

 

ラストを飾るのは「ひかるカケラ」「Sail Out」に通じるトラセらしい聞かせるミディアムチューン。Aメロからずっとメロディが素晴らしすぎる…めっちゃ好き。こりゃ締めの曲はコレになりますね納得。

この曲と「Re Bon Voyage」がリード曲候補だったみたいなんだけど、正直こっちがリード曲でも全然見劣りしなかったなぁ…とは思う。

MVを「ひかるカケラ」を彷彿とさせる作りにして、ポップで明るい「Re Bon Voyage」とは違う"聞かせる"トラセが5周年を経ての再スタートになるっていう世界線ありませんか???

 

とざっと楽曲の感想はこんな感じ。

全体としては挑戦的なサウンドが多めだった「TryAgain」と比較して、

今作は原点回帰的な作風になったのかなぁと思う。リード曲「Re Bon Voyage」「君となら」辺りは顕著。

その一方で、かつてないほど音がバンドしてて、ほとんどの楽曲がバックバンド引っ提げてライブ披露するの?ってくらい音がバンドしてる。

これは原点回帰はなんとなく予想してたけど、これは驚いた。

 

制作陣的な話をすると

前作「TryAgain」から続投した作家さんがゼロ。

しかも作家さんはほとんどTrySail初参加である。

元を辿れば、「TryAgain」自体も「TAILWIND」から制作陣を一新に近い形で変えていて、その流れをそのまま今回も踏襲した形になっている。

他方、常連組の渡辺翔が2ndアルバム「TAILWIND」以来復帰してたりするけど、「TryAgain」まではアルバム参加皆勤だった谷口尚久が不参加だったりする。

 

というわけで

今回のアルバムはすっかり新顔なのかと言われると実はそうでもなくて、

大森祥子、塩野海、中野ゆう、上坂梨沙、川崎智哉、浅利進吾、山崎真吾は既にメンバーのソロ活動の方で楽曲提供済。

ゆえに今作は「メンバーを個々で既に知っている人たちが集まって作った」という今までにないアルバムという側面があったりしますね。

各ソロの要素は「モノクロ」とか「マイハートリバイバル」辺りに感じるかな?

 

 

まとめると

原点回帰&ライブ向きなロックテイストへの傾倒&ソロ活動の成果の持ち込み

がこの「Re Bon Voyage」を構成する内容かな~というのが個人的な感想です。

 

サウンド的なことを言うなら前作「TryAgain」の方が好きだったんだけど、

トラセらしいという意味での成長という面では今作の方が好き。

 

何よりライブが凄く楽しみになるアルバムですよね。うんチケットはもう取りましたよ。

5周年がコロナと被ってしまい思うようなグループ活動ができなかったフラストレーションがそのまま今作の制作に出たのかなって思うくらい、ライブを楽しませてくれそうな新曲たちで今からライブが凄く楽しみになりました。