8月24日、僕の一番好きなバンドであるAqua Timezがデビュー15周年を迎えました!!パチパチ
解散から早いこともう少しで2年。
メンバーはそれぞれの道で頑張っているようで、「Aqua Timez」がドンドン思い出になっていくのが少し寂しくなるこの頃。
さて15周年ということで個人的にこういうブログをやっているので、
なんらかの振り返りでもしようかなぁと思ってたんですけど、
今回はデビューアルバムでもある「空いっぱいに奏でる祈り」とその当時の邦楽シーンについて振り返ろうかなと思います。
ちなみに10周年の時はMOMAさん(Beautiful Dreamer)とシングルレビュー対談なんかをしてました。良かったら… https://moma-bd.com/cross23.htm
まず基本情報から。
Aqua Timez 「空いっぱいに奏でる祈り」
2005年8月24日発売。
インディーズからの発売で、9曲入りのミニアルバム。
リリース当初は200枚ほどのセールスだったが、収録曲「等身大のラブソング」が口コミや有線で話題になって
発売から約半年かけてオリコンアルバムチャート1位を獲得した。セールスは約70万枚でこれはAqua Timezのシングル&アルバムの売り上げにおいて最高記録となっている。
とこんなもんでしょうか。
まず、「空いっぱいに奏でる祈り」は僕はリアルタイムでは聞いてないです!
なんじゃそりゃって感じですけど、「決意の朝に」から入ったので…というか2005年当時は文字通りコドモだったので当時の音楽界隈についてはほぼ知らないんですよね。
そんな感じなので2005年はどんな音楽が流行っていたのか。ざっと調べてきました。
●2005年の音楽
オリコンの年間アルバムチャート見てきました。
この時はORANGE RANGEの天下だったんですね。
2005年の年間アルバムチャートで260万枚という桁外れの売り上げを記録。
平井堅やDef Techなんかも大ヒット飛ばしてますけど、ORANGE RANGEが一個飛びぬけてます。
あんまりこういう風に言われることは無いですけど、この頃のAqua TimezはORANGE RANGEに近いなぁ~とちょっと思ったりします。
ミクスチャーバンドっていう共通点もですけど、ラップがあって、サウンドが意外とゴリゴリにロックしてるんだけど、決めるところはきっちりメロディを聞かせるっていう構図が。
この辺は2003年辺りに一足早くヒットを飛ばしていたHYにも共通していると思います。
こういったラップ&ハード目なバンドサウンド&サビは聞かせるみたいなのは何処が源流なんだろう?Drangon Ashとか?
その辺全然詳しくないから言及は出来ないんだけど、
初期Aqua Timezのモデルケース的なバンドがORANGE RANGE、HYだったのかなと思います。
ただこの記事を見てほしいんですが
https://www.barks.jp/news/?id=1000016432
Aqua Timezが「第2のDef Tech」と紹介してあるんですよ。音楽性違うじゃん!とめっちゃツッコミたくなります。
でもよくよく考えると。あったわ共通点。
それが彼らの代表曲にもなった「等身大のラブソング」です。
レゲエっぽいビートに優しいメロ&ストレートなラブソング…
確かに"っぽい"…。
でもこの「等身大のラブソング」は彼らのキャリアの中でも異色の楽曲。
こんなオラオラ口調の曲は他に無いし、レゲエっぽさもこれだけ。なんなら「ラブソング」自体キャリアの中でもそんなに多くない。
「第二のDef Tech」として売り出されたかは当時を知らない身からすると定かではないけれどもAqua Timezは"本来の音楽性"とは大きく違った曲で
「等身大のラブソング」だけが独り歩きしまった…って感じなんです。
「空いっぱいに奏でる祈り」に入ってる曲の半分くらいゴリゴリのロック系なのに…。
この曲がAqua Timezを一躍スターダムな存在にしたことは間違いないんですけどね。この曲の大ヒットが、良くも悪くも彼らのキャリアに大きな影響を及ぼしました。
(ちなみに前述のORANGE RANGEはデビュー曲「キリキリマイ」、大ヒットしたアルバム「MusiQ」の前に出した「チェスト」がゴリゴリロック系でシングルで出してます。HYは早い段階でそういったゴリゴリ路線とは距離を置いてます)
●デビュー後のAqua Timez
そんなこんなで「等身大のラブソング」のヒットで一躍人気バンドの仲間入りを果たしたAqua Timez。
この曲でMステにも2回出演、アルバムもチャート1位、念願のメジャーデビューも果たします。
ただライブをそこまでやってない内に 「等身大のラブソング」だけが独り歩きして人気も付いてしまったので、ライブでの集客やパフォーマンスに困ったといったエピソードも残ってます。
2006年、2007年に入るとコブクロやいきものがかり、スキマスイッチといったポップグループが台頭するようになり、
Aqua Timezもシングルではそういったグループにも肩を並べるような優れたポップソングを連発していきます。
一方、C/Wやアルバムでは「俺たちはロックバンドなんだ…!」といった主張が強く残っていて、「一瞬の塵」、「歩み」、「massigura」などでは彼らの熱いロックスピリッツを感じさせます。
ただタイアップの関係上か、こういったロック系はシングルには選ばれなかったので、
結局彼らのパブリックイメージは「等身大のラブソング」や「決意の朝に」「千の夜をこえて」から変わることはありませんでした。
このあたりの葛藤はインタビューや10周年のアニバーサリーブックでも語られてます。
この路線は2009年に最初のベスト盤を出すまで続けられて、2011年にリリースされた4枚目のアルバム「カルぺ・ディエム」でライブでのあり方を含めて方向転換をすることになります。
●「空いっぱいに奏でる祈り」
話を戻します。
そんな感じに「等身大のラブソング」に影響されまくった初期のキャリアだったわけですが、実際「空いっぱいに奏でる祈り」はどんなアルバムだったのか。
これはあくまで個人の意見ですが、
一番粗削りで、それでいて既に完成された"らしさ"がある、そんなアルバムだと思っています。
ミクスチャー系の激しいロックからポップパンクみたいな曲だったり、「等身大のラブソング」みたいなポップス、彼らの真骨頂とも言えるバラードといった具合に良い意味でごちゃ混ぜ。
このジャンルレスさがAqua Timezらしさの核です。
https://natalie.mu/music/pp/aquatimez/page/2
後年、「本格派になれないゆえのオリジナリティ」と語っていますけど、
このオリジナリティはこの時点でも感じられると思います。
こういうジャンルレスさは節操ないとか言われがちですけど、それを踏まえたうえで自分たちの音楽をどう表現するかが大事だと思うんですよね。
その点、Aqua Timezはオリジナリティをきちんと発揮できている。
まぁまだ1枚目なのでそのオリジナリティがブラッシュアップしていくのはこれからなんですけどね(笑)
こういった点でこの時から解散までAqua Timezって変わってないんですよ。
勿論良い意味でですよ。そんなとこが僕が好きな所でもあるんですけど。
「等身大のラブソング」だけがヒットして、アルバムのこの良さがあんまり世の中に伝わらなかったのは返す返す残念だ………。
そして
この「空いっぱいに奏でる祈り」、なぜかサブスク配信されていないという!!!!!
といってもベストに入った「等身大のラブソング」とかは聞けるんですよね。
なぜかアルバムだけが聞けない。
そこんとこどうなってるんですかね。
せっかくこんな記事書いたのに勧められないなんてひどすぎるぜ…。
Aqua Timez公式さん(生きてるか分からないけど)、そこんとこヨロシクお願いますよ15周年なんだしさ。