あけおめです。年末に投下するつもりが間に合いませんでした。
Charlie Puth / Smells Like Me
曲を聞くだけだとドキャッチーなメロディのポップスなんだけど、
君のシャツに僕の匂いが残ってたらいいのに、って歌うめちゃくちゃ引きずりまくってる失恋ソングでビビる。
というか今回のアルバム、全編こんな感じでずっと失恋と別れ歌っててドン引きする(苦笑)まぁそういう歌手なんだけども、前作で「We Are The World」みたいなこと歌ってた人とは思えん。
でも、やっぱりめちゃくちゃキャッチーなメロディだよな。モダンポップみたいな空気感とかちょっと昔っぽいシンセの響きとかその辺のアレンジセンスが優れてるのも好印象。
J-POP的にもそのまま受け入れられそうなメロディセンスだし、彼が日本人気高いのも頷ける。
麻倉もも / シロクジチュウム
Dolby Atmosで聞くことが想定されて制作されました、という強烈な言い文句と共に投下された新曲。
制作体制が一新したからといってここまでやるとは。
ボカロ的な忙しない曲展開に「ピンキーフック」から引継いだようなファンキーなビート、もちょの可愛らしい声によるASMR的なコーラスワーク、終盤の残響的に響くウォールオブサウンド。
従来通り恋愛ソングだけど少女漫画的ではない、歌詞がストーリーが見えづらく、やや抽象的。とにかく麻倉もものカタログの中では革新的な1曲だった。
音楽制作にそこまで興味が無さげに見える彼女の楽曲からこんなのが出てくるのがまずビックリだったし、アルバムを聞いてまたその方向性にもビックリした。
あんまり良すぎてライブまで行っちゃったし、今後の音楽活動がますます楽しみになった。
それにしても…田中秀和絶対許さん…。
The Weeknd / Out of Time
亜蘭知子の「Midnight Pretenders」を大胆にサンプリングしたことでも話題になったThe Weekndの楽曲。
いわゆるシティポップリバイバルのブームで再発見されて、それが取り入れられたっていう流れなのかな?確かにこの曲のほかにもBeach Boysというか山下達郎っぽい曲もあるしなぁ。そういうシティポップ、レアグルーヴはぶっちゃけ一種のマニアだけのムーブメントだと思ってたけど、こういう大物のとこにも届くんだなぁと素直にビックリした。
曲は「Midnight Pretenders」のシティポップ的なファンキーなサウンドの響きが結構残ってていて、
そこに乗せるメロディもいつになくメロディアス。邦楽的と言ってもいいかもしれない。非常に良い。未練たらしい歌詞もシティポップっぽい。何もそこまで真似せんでも(笑)
BBHF / どうなるのかな
EP収録曲。
Galileo Galilei後期から父親というか所帯を持った男の目線の曲が増えて、
そこまで内省的な雰囲気なものが少なった気がしてたんだけど、
この曲の自分の中に閉じこもって、内弁慶みたいな歌詞がちょっとスカッとした。ライブで聞きたかったんだけど、なぜかEPからこの曲だけスルーされる始末…。なぜ・・・?。
The 1975 / I'm In Love With You
今年出た新作のリードシングル。
「Happiness」もそうだったんだけど、この曲もThe 1975王道のポップスソング。
基本的にこの手の曲はアルバムに1曲は入ってるんだけど、今回のアルバムは純粋に良いメロディ、歌である事に向き合ったような内容であったためか、この曲もシンプルにメロディがいつもより耳に残りやすい(気がする)し、
歌詞もそこまで捻らずストレートに「君に恋してる」と歌うラブソング。
もともとThe 1975は歌を大切にするバンドだとは思ってたけど、やっぱりこういうシンプルなポップでストレートなラブソングは良いよね。
Beabadoobee / Sunny Day
こういうのはいけないんだけど、完全にThe Sundaysのハリエットを彼女に重ねてしまってます。ネオアコっぽいギターサウンドにこのメロディにこの声で歌われたら、そりゃそう思っちゃうでしょうよ…。
さユり / 花の塔
この曲に関してはもう完全にアニメ効果ですね。
リコリコはなぁ…楽しかったけど色々言いたいこともいっぱいあったアニメなんですけど、このエンディングのエンディング感は凄く良かった。
さユりって厨二病っぽく歌うシンガーってイメージあったけど、ああいう情念深さが良い意味で曲にエモさを足してて、作品の最後にノスタルジックな感傷を残す効果抜群にあったと思います。
あと2番でキーがちょっと下がるのはビックリした。
Official髭男dism / Mixed Nuts
アニメタイアップあるのにこんなにリズム隊がブリブリと忙しなく音を鳴らして自己主張しまくってて、なんじゃこりゃ!?って思ったけど
こんな曲でもサビに行くと一気に華やかなポップソングになって昇華されていくのは凄いし、そういう違和感を強烈なフックに変えて武器にするのは流石すぎる。
去年の「Cry Baby」でも同じこと思ったけど、こんなポップソングの皮を被った変な曲をお茶の間に届くレベルでヒットさせ続けてるヒゲダンって本当にヤバいなって再認識しました。
Paramore / This Is Why
80'sフレーバーでポップス路線だった前作からの揺り戻しでか
新作からの1曲目はポストパンクに片足突っ込んだみたいなソリッドなナンバーに。
ポップパンクリバイバルがある中でこれを出すのか、と思った(笑)
最初はParamoreでコレ?と思ったけど、何度も聞いてるうちにめっちゃカッコいいじゃん!とドンドン虜に。
Red Hot Chili Peppers / Veronica
衝撃のジョンの復活と共に届けられたレッチリの2枚の新作。
この「Veronica」は俺が大好きな「Dosed」みたいにアルペジオとメロディが綺麗な曲で、おっ!と思った。
収録アルバムの「Unlimited Love」はそんな感じに懐古的な空気感を楽しめるかなと。ジョンが復帰したからこそ感じられるグルーヴとかそういうので順当に年老いたレッチリを聞けますね。ジョン脱退前のレッチリはリアルタイムでは聞けてなかったけど、懐かしい感じ。
ただ正直、アルバムは2枚ともジョシュ在籍時の「The Getaway」の方が好きだから…複雑な気持ちよ。
夏川椎菜 / ミザントロープ
個人的に今年のアルバムおよびシングルはバンドありきのサウンドで前ほど響かなくなってしまって、ベストアルバムからも外しちゃったんだけど
「ハレノバテイクオーバー」とこの曲はめちゃくちゃ良かった。
ドリームポップみたいにウォールオブサウンド的な分厚いバンドサウンドがこの曲にはピッタリ。2022年の夏川バンド路線が一番上手くいってた曲だと思う。
なにより「ササクレ」よりも「パレイド」の続編的でその先を描いた名曲だと思ったんだけどなぁあんまりピックアップされない感じが残念。
山村響 / D●ku D●ku
声優で、自作曲を作って音楽活動してる人は増えてるけど彼女もその一人。
囁き声で曲中「ドクドクドク…」とずっと鳴っているのがASMR的で退廃的で甘いメロディと一緒に凄く魅惑的に響く。
低音がドシンドシンと響くビートはちょっと前のBillie Eilishを彷彿とさせて、中毒になりそう。
この曲以外のEPはベッドミュージック的でありつつもポップミュージックの煌めきに溢れててそれも良かったんだけど、それとの落差でもこの曲にガッツリハマってしまった。
今更ながらベストアルバムの1つに挙げても良かったかも。