もうそろそろ良いだろ?と思われそうだけど、またエヴァネタです。
最近こんなの見つけました。
「THE END OF EVANGELION―僕という記号」
旧劇公開時に刊行された詩集みたいですけど、
見て驚き、著者が庵野秀明!!
この手の奴で庵野さんの名前を冠するものって皆無に近いので、
物珍しさから購入。
そして
買ってから分かったんですけど、これ、たぶん庵野さん関わってないっすね。がっくり。
「詩篇」と付いてますけど、劇中で出てきたセリフと(おそらく書き下ろした)地の文とで再構成したモノ。詩では無いです。
そしてこの構成を担当したのが野火ノビタという漫画家。
著者に庵野秀明ってあるのはキャラクターのセリフを生み出したのが彼だからってことなんでしょうね多分。
内容的には
テレビシリーズの25.26話の内容を
テレビシリーズで出てきたセリフを複雑に再構成して綴るという「おめでとうエンド」の近いものを感じるカオスなもの。
庵野さんのが関与してないっていうことなので、この本から得た新しい発見的なモノはあんまり無かったです。
ただエヴァに出てくる台詞の言葉の強さとでも言いましょうか、1つ1つの言葉が誰が言ったことなのか説明が一切ないけど分かるんですよね誰の台詞か。
見過ごされがちだけど、エヴァは会話劇の要素強いので(特に後半)、そういう側面が強く出た作品だと思います。庵野さんも会話劇大好きって公言してますもんね。
ただ個人的に会話劇から生まれるセリフは生モノでそれ以上の意味を持たないと思うんです。だから名言集的なもんでもないと思ってます。
加持さんは名言っぽいこと言ってますけど、っぽいこと言ってるだけで本質的にはミサトさんとかゲンドウとあんま変わんないっすからね。
エヴァは基本ろくな大人がいないんで、そんな奴の言葉を名言にしちゃいかんだろ!と常々思ってます。
ただ、だからこそ、生モノで軽薄な言葉だからこそ重みを感じる台詞がエヴァは多いなと。
庵野さんは関わって無さそうだけど、エヴァの言葉を再認識するという意味で読んで良かったですね。
最後、シンジがアスカの首を絞める「まごころを君に」の章で
「ねぇ、シンジ。キスしようか。」を持ってきたのは憎い演出だと思いました。