先日Amazon Prime独占で公開された
ドラマ「仮面ライダーブラックサン」を見終わりました。
1話40分前後で全10話なので休日でサクッと行けました。
見た感想としては
これは賛否別れそうだなぁ…と。思ってたよりも暗かったし。
「仮面ライダーブラック」のリメイクとして見ると、期待は裏切られる気はするし、ブラックの名をかたってこんなことしないでくれ!っていう人が出てきそう。
なんというか…特撮作品ではないんだよね、ブラックサンっていう作品は。
こういうと誤解があるけど、ウルトラマン、戦隊ヒーロー、仮面ライダーに根付く”イズム”は今作からは感じない、といったほうが適切かな。
いちおう原点であるブラックへのオマージュはいっぱいあるし、思ってたよりも仮面ライダーブラックではあるし、愛は結構感じるんだけれども、それでも今作から感じるのは特撮イズムでは無い。
ちょっと前に白石和彌の監督した「孤狼の血」を見たことがあるんだけど、あの作品に全編通して流れるどんよりした晴れることのない空気感、ドンドン袋小路になって追い詰められていく息苦しい展開、あれが結構まんまブラックサンでも感じられます。
そんで作品内では
人間と怪人の共存をテーマに差別意識の問題の描写にBlack LIve Matter運動のオマージュを加えており、
さらに光太郎と信彦とゴルゴムを取り巻く過去を全共闘、学生運動に絡めて描写しており、
何処まで行っても社会的でクスッと笑えるような瞬間も少ない。
もーーすごい重苦しい(笑)
現実問題としてBLMにしても学生運動にしても平和的な解決には至ってない事象であるわけで、どういうオチをつけるのかと思ったんだけど、
結局最後は光太郎、信彦、ゴルゴムの過去の清算っていう所に収束して、
いちおうラスボスは倒したけど、差別の問題は解決せず、先行きは暗い、戦いは続くというもの。
いやぁ何もそんなとこまでリアルにせんでも・・・。
作品がこんな感じなので、ブラック原理主義者の人、社会的な問題への理解が無い人は「そんなのをライダーで見たかったわけじゃねー」って拒絶反応がバリバリ出そうだなぁ~って思いました。
そういう人は10話のアレは火に油を注いだ感じでしょうね多分。俺はワクワクしちゃったけど。
個人的にはこの暗いテーマを仮面ライダーを題材に描いてくれたって言うだけで結構楽しめた。
まぁ作中の人間は学生運動の背景にして描いてる割に誰にも主体性があんま感じないし、こういうのに欠かせない昼ドラみたいなドロドロ人間関係や内紛がうっっすいとか
ラスボスのあいつにしてもゴルゴムにしてもちょっと詰めが死ぬほど甘いし、無計画すぎない?そのせいでストーリーガバガバになってない?っていう疑問も多少あったけど(笑)
今回の作品で一番良かったのは主演の西島秀俊と中村倫也の2人。
これはみんな同意見だと思う。
1カット1カットが凄く様になってるし、パッと見たときにカッコいいと思わせる佇まい、挙動、変身ポーズ…こういうのはニチアサの仮面ライダーでは摂取できない成分だ…。
マジで二人の変身ポーズはめちゃくちゃカッコいい。これだけでも100点あげたい。
あとバイク。昨今のライダーではめったに見れなくなった(らしい)が、今作ではめちゃくちゃバイクに乗りまくる。というか移動手段がほぼバイク。
ヒロインが危機的状況に陥ってもニチアサみたいに現場にすぐ到着するワープも無いので、バイク移動。ちゃんとライダーしてます。仮面ライダーはバイク乗らないとね。
この2つがとてつもなく俺の需要を満たしてくれたのは
ブラックサンは名作認定します。はい。