Quantum of Solace

好きなことを書きたいときに

Aqua Timez 「カルぺ・ディエム」Part1 #9

 

 

Aqua Timez 4th Album。

2011年2月16日リリース。

 

「The BEST of Aqua Timez」を挟んで約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。

シングル「プルメリア~花唄~」「絵はがきの春」「GRAVITY 0」「真夜中のオーケストラ」収録。

一言で言うと"変化"のアルバム。曲のテーマに生と死といったシリアスなモノを選んだり、初めて外部のアレンジャーを迎えたり、太志のヴォーカルも初めてファルセットが導入されたり、とベストアルバムを経て次のフェーズに向かおうとしてる過渡期的作品だと思う。作曲でも太志単独に交じってバンド名義のクレジットが大幅に増えたのもこの時期。

個人的にはこの変化がリリース当時受け付けなくて、ファンになってから初めてライブ行かなくなったり、ちょっとバンドと距離を置いていた時期になる。

今では苦手意識こそ無くなったものの、前後の作品が良すぎるので改めて聞きなおすことも少ないかな…。

 

 

「百年の樹」

Aqua Timezらしいポップスセンスあふれるメロディと強いメッセージ性を兼ね備えた楽曲。

今作は"時間"や"死生観"がテーマになっている曲が複数あり、アルバムのオープニングになるこの曲も百年の樹に過去と今の対比をなぞらえてメッセージを紡ぎだしている。

歌ってる内容の核自体はそこまで変わんないだけど、孤独とか自分と向き合う内省的な

詞の世界観だったのが急にスケールがデカくなったなぁ…とリリース当時は感じた思い出。

 

 

「最後まで」

「The BEST of Aqua Timez」に収録された新曲。

SONYWALKMAN” × MTV “ひとつになれる歌” 』プロジェクト・ソング。

今作に収録するにあたって前奏のチューニングがカットされた。

 

Sony Walkman“ひとつになれる歌”プロジェクトとして

全国の高校生から寄せられたメッセージにインスパイアされて制作された楽曲。

そのまま高校生の生の声を代弁してくれているようなメッセージに受け取れてる歌詞に仕上がっている。

変にこねくり回さず、ライブ感のあるストレートなロックサウンドに仕上げた所に

10代の衝動みたいなものを感じられて、Aqua Timezの楽曲の中で一番青春を感じる熱い曲だと思う。

これまでバンドを応援してくれたファンへのメッセージソングにも受け取れるので、そういった意味でも熱い曲。

 

 

またこれは最近思ってる事なんだけど

Aqua Timezは幅広い世代に受けたバンドというよりかは

00年代後半辺りに学生だった人に人気があったので、

青春の思い出のバンドみたいな立ち位置になってる人が多いと思うんだけど、

そういったバンドの"青春"の側面を切り取ったという意味でこれは非常にノスタルジックな曲なのかもしれないなぁと。

 

 

 


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Music Videoが存在している。

どこかの学校の体育館での演奏を収めた映像。楽曲が学生のメッセージにインスパイアされた&ライブ感のあるサウンドからそのまま連想するような映像だけど、

青春の1ページを切り取ったようなカットばかりで見ててなんか切なくなった…(俺が出てるわけでもないのに笑)

 

 

 

プルメリア~花唄~」

10thシングル。

映画「ごくせん THE MOVIE」の主題歌として書き下ろされた楽曲。

多幸感溢れる歌詞とポップで爽やかなサウンドが特徴的で、

前作「うたい去りし花」の方向性を一曲に凝縮したような楽曲。

アルバム収録曲の中では最古の楽曲で、前作と今作のアルバムでのテーマ性の違いということもあってかアルバムの中ではちょっと浮いてる感はあるかも…。

 

この曲のテーマはずばり"幸せ"。

その象徴としてハミングとか鼻唄が歌詞の中で何度か出てくるんだけど、

何気ない鼻唄に幸せを重ねる歌詞が凄く微笑ましくて、聞いてるこっちが照れそうになる…笑。

そして

「この歌が流行の影にしおれていっても、 君が僕のそばで鼻唄で聞かせてくれるなら構わない」という歌詞ね…この歌詞がめちゃくちゃ強い詞だと思うんですよね。

 

何気ない幸せを描写する一面と、人気商売であるこの仕事においての楽曲への姿勢の2つの側面が見えるんだけど、

後者は当時セールス全盛期だった彼らからは中々出るフレーズでは無いでしょうよと笑。

これまでもちょこちょこ出てきたけど、

ただただ前向きでは無いし、ポップなわけじゃない。ちょっと諦念が入ってる感じ。

 

解散時に太志が「いつか歳を重ねてもみんなの口ずさむ曲がAqua Timezの曲だったらいいなぁ」というコメントがあったけど、

この曲はそういった太志の音楽の評価に対しての向き合い方というか、精神性が如実に出ているよなぁと思ってる。

 

 

 

 

 

 


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Music Videoが制作されている。元AKB48SDN48浦野一美が出演。

花唄なんて副題がついているので

スタジオに花びらが散りばめられていて凄く映像がカラフル。

花瓶に水をやる、というこの曲の肝もちゃんと映像化してて

この曲の持つ多幸感をよく表現していると思う。

Wikipediaによるとタイアップ先の映像を使ったMoive ver.というものもあるらしいが、商品化されてないし、見たことも無いので詳細は不明。そんなのあるのか?

 

 

 

 

「真夜中のオーケストラ」

13thシングル。テレビアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマとして起用されている。

今作の先行シングルとしてリリースされた。

 

この曲を一言で表すと王道のAqua Timez

何が王道か?は人それぞれ違うと思うけど、彼らの場合は孤独をテーマにした内省的な歌詞とそれに寄り添うようなメッセージ性、そしてそれを乗せるためのグッドメロディがあることだと思う。

メロディの良さに関してはずっと変わってなかったけど

シングルのディスコグラフィを見ると「虹」のヒット以降、歌詞の面においてのAqua Timezにおける王道を意外とやってなくて、

前作「うたい去りし花」もテーマ的に孤独とかそういうテーマが取り上げられることが少なかったのでそれがこの曲に久々に!という感じ。

「幸せにしたって孤独にしたって、分け合える誰かがいるかどうか」というメッセージ性はいま聞いてもグッとくる。

 

ストリングスをフューチャーしたいつもよりも壮大なサウンドスケープ

内省的な歌詞と対比的で楽曲に良い相乗効果を生んでいると思う。

 

 


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Music Videoが存在している。

切り絵のようなカラフルな世界観。大きな仕掛けは無いけど、ひたすらに映像が綺麗なのでお気に入りのMVの一つ。

 

 

 

「カルぺ・ディエム」

アルバムのタイトル曲。

タイトル名はラテン語で〈今日という日の花を摘め〉という意味を持つ。

この曲は死生観が歌詞のテーマで今までのAqua Timezとは明確に雰囲気が違う。

サウンドも歌詞の世界観に寄り添うかのように静と動がハッキリとした繊細なアレンジになっている。

この作風の変化にリリース当時、この曲を初めて聞いた時は「ど、どうしたんだAqua Timez!?」って思ったのを凄く覚えている。

実は今でもこの歌詞はちょっと苦手で、スケールの大きなテーマに対して歌詞の表現が追っついていない感を感じてしまうんだよな。おまえマジで何様だよって感じだけど。

同じテーマならこの後の「メメント・モリ」の方が等身大な感じがあって好き。

 

 

 

 

Extra

プルメリア~花唄~」C/W「長すぎた夜に」

メロラップ&サビがキャッチーなメロディという構成はもはや伝統芸になってきてるけど、この曲辺りからラップパートが言葉をぎゅっと詰め込むのは辞めて、"歌うラップ"に変貌してきている。

リリース当時からこのゆったりとしたラップの感じがなんとも苦手で

ベストアルバムを引っ提げてのツアー「Music 4 Music tour 2010」でこの曲がラストに来た時はビックリした。というか最初気づかなかった…(笑)

 

 

 

絵はがきの春」C/W「流星のうた」

OKPが当時ハマっていたハウスミュージックの要素を取り入れた楽曲。

こういうふんわりとしたエレクトロ系の曲は今までになかったし、そういう方向性なのかなぁ…と思わせておいて最後の最後に"らしい"ロックサウンドをガツンと響かせるのは憎い。

全盛期が過ぎた後のシングルのC/Wということで知名度は低いけども、

たまにこういう良い意味で期待を裏切られる曲が来るからC/Wも侮れない。

 

「空に近い街」

魔女の宅急便」のテーマに書かれたアコーディオンが特徴的な楽曲。

2013年の「because we are we tour」では吹奏楽のような編成でアレンジver.が披露されてたけど、雰囲気的にはこっちの方が好きかも(ただ太志の声の調子があんまりよろしくない…)。

絵はがきの春に収録された3曲はそれぞれで違う顔を見せてくれていて、結構お気に入りのシングルだったりする。

 

絵はがきの春

絵はがきの春

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雨宮天のライブに行った話とかTrySailのアルバムが出る話とか

 

最近のトラセ推し活動のまとめです。

 

・トラセの単独ライブ「会いに行くyacht! みんなであそboat!」に行ってきた。

 

行ったのは2月ですけど、ブログに書いてなかったのでこのタイミングで。

今回でトラセのライブは3回目だったんですけど、まぁ色んな意味で凄かった。

今回は会場中をトロッコが駆け回るというライブ構成ゆえに

1階席はトロッコの通り道を想定した変形座席。会場中に島みたいにポツポツ座席群があってその間をTrySailを載せたトロッコが通るというもの。

ゆえに1階席であればタイミングによっては最前列に近い距離で見れるという神仕様!!!

初めて席ガチャに勝利しました。ここまで近くでTrySailの3人の顔を拝めただけで満足感半端なかったね。それとようやく「ホントだよ」を生で聞けて感激。

ただほぼずっとトロッコに載ってたので、動き回るメンバーに合わせて向きと態勢を変えないと行けなくて、まぁ疲れた(笑)

楽しかったけど、こういう形態のライブはもういいかな。


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雨宮天のリサイタルに行った。

全曲自作&歌謡曲のEPが出た雨宮天。正直、このEPはあんまり好みに合わなかったんだけど(笑)ライブ当たっちゃったので見に行った。

ライブ当日が豪雨で死ぬ思いをしながらライブ会場に行ったんですけど、

スタンディングだったのでライブ中も疲労で死ぬ思いをした。

リサイタルは前回も見に行ったんだけど、やっぱり声質的に合う曲とそうでない曲が明確に違うなぁと改めて思った。

本人も豪華なカラオケ!って言ってるライブだからそこに難癖付けるのはお門違いなんだろうけどさ。

喝采」とか「イミテイションゴールド」は良かったけど、「君は薔薇より美しい」は…。

どうでも良いけど、MC中でよく出る天ちゃんの「ほんで」は良いよね。

 

 

夏川椎菜の新曲「ユエニ」発売

前作「ササクレ」がサッパリハマらなくて、今回も期待してなかったんですけど

思ってたよりは良かった。

「コンポジット」期みたいな音がギュウギュウ詰めのロックでは無くなってたし、音のミックスバランスも好み。キーボードの音も結構聞こえたし、やっぱりサポメンにキーボード入れた方が良いと思うんですけど運営さんどうでしょうか?

ただ、どちらかというとC/Wの「だりむくり」の方が「ログライン」の頃の音に近くて好きだった。

 

マーベルもどきのMVは雨宮の「VIPER」みたいな珍妙さがあって面白かった。


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TrySail 新作アルバム発売。

ツアー日程だけ先行して発表したアルバム出さないわけない!と思ってたんで、

そりゃ出ますよね!って感じでした。

にしても、、、今回のアルバム、ジャケ写がクソダサくないですか???

前作「Re Bon Voyage」が過去最高級に良かったのになんですかこれは。

胡散臭い煌びやかさ。ちょっとこれは無いっす。。。

 

そして先輩スフィアに続いてアーティスト本がリスアニから出る模様。

こういうのが出るともうベテランユニットの域に達してきてるんだなぁ…というのを感じるし、スフィアが絶賛活動停滞中の状況を見るとトラセもあと何年だろうかと嫌ーな想像してしまうね。

それにしてもミューレ3期生は何してるんだろうか。なんも聞かないけど。

 

 

 

 

Aqua Timez 「うたい去りし花」Part2 #8

 

 

 

「月、昇る」

OKPが持ってきたというマイナーコードから始まるダークなロックナンバー。

割とポップ&前向きな歌詞が多い今作の中で異色な1曲で

内省的ではあるけども突き放すような言葉の強い歌詞が見受けられる。

サウンド面ではベースが全面的にフューチャーされていて、平メロ、サビとほぼベースソロみたいな勢いで鳴っていて、これがまた楽曲のダークな雰囲気に彩りを加えている。

歌詞もサウンドも色んな意味でAqua Timezらしくない珍しいこと尽くめで最初聞いた時は凄くビックリした記憶がある。

が、これが凄く新鮮に感じて当時から今作の中でも1番好きな曲だった。

2009年の「still connected tour」では披露されなかったのは残念だったけど、数年後のファンクラブツアーで聞けたときは凄く嬉しかったなぁ。

 

 

「この星に」

ゴリゴリのミクスチャーロック路線。「massigura」はちょっと丸くなった感があったけど、この曲は割と初期のまんま。サビでギターがザクザクなメタル的サウンドも初期っぽい。

特段好きな曲ではないけども、この手の曲は「massigura」の同様にこのアルバムを最後に姿を消していくので、こう振り返りながら聞いていくと妙に寂しい気持ちがあったりする。

 

「きらきら~original version~」

仲間由紀恵出演のKIRIN『潤る茶』CMソング。

このアルバムにリードトラック的な曲は無いけど(先行シングルの「STAY GOLD」がそれに近い)、あえてアルバムの中から選ぶとなるとこの曲かな。

割とテレビで流れてたCMのタイアップだったし、いくつかの音楽番組でこの曲を引っ提げて出演していたし。

楽曲自体もこの時期のシングルに匹敵するくらいポップでキャッチーなので、シングル候補だったりしたのかなと思ったり。

それにしても「original verison」とは何なんだろうか。もともと別のヴァージョンが存在していたのだろうか。

 

「One」

毎日放送『第81回選抜高等学校野球大会』,『第89回全国高等学校ラグビーフットボール大会』イメージソング。

迷いない前向きさと明るさをヒシヒシと感じられる、今作を象徴するような楽曲。

メッセージもタイトル通りにシンプルでそれ故にポジティブさがストレートに伝わってくる感覚。

そんなパートは無いんだけどライブの際に観客がシンガロングしてそうな一体感があるし、凄く幸福感を感じられる楽曲だなぁと思う。

リリース当時、この曲はAqua Timezに取って大事な曲になるんじゃないかな?と思ったりしてたんだけど、ライブでも常連になるわけでも無く、ベストアルバムに選出されることも無く‥‥この曲の持つ普遍さはもっと広がってほしかったなと思う。

 

 

「うたい去りし花」

アルバムのタイトルを飾る壮大なロックバラード。

「歌い去りし花」というタイトルでアマチュア時代に存在していた曲を大幅にリメイクしたもの。

アルバムの選曲会議でも今までも候補に挙がっていたようで、満を持して!の選曲だった模様。

 

そう言われてみれば内省的な感じとか歌詞の言葉の選び方とか初期っぽい空気がある。

サビのメロディ対しての字余りな歌詞の当て方とかね。

一方で歌詞の詰め込み具合は初期ほどでは無いし、メロディのつけ方も全体的にはメジャーデビュー後にやり方に近いものを感じる。

インタビューによるとサビの一部くらいしかアマチュア時代の曲の原型は残ってないとのことだけど、それでも初期と今作リリース当時のAqua Timezのハイブリッド感は強く感じられる。

このアルバム自体が今までのAqua Timezの集大成的な作品になっていて、ポップな方向性も明確に示していた中でラストに初期のような"闇の中から光を見出していく"テイストの曲を持ってきた、というのはAqua Timezの核はここなんだぞ!と強く示しているようにも感じた。

 

 

「Re:BIRTH」

「うたい去りし花」でラストかな…と思わせておいて最後にリプライズ的なこの曲。

壮大なスケール感を感じるサウンドと対照的なストレートなメッセージ性。

良い曲だけど、

正直「うたい去りし花」で綺麗に終わった方が良かったんじゃない・・・?と思わなくも無い。

前作「ダレカの地上絵」もラスト曲のあとにボーナストラックがあって、隠しトラックがあって…。

どれがラスト曲なのかがわかんなくなる(笑)

 

 

 

 

Extra

「虹」C/W「優しい記憶~evalasting II~」

家族と愛情を歌ったシンプルなバラード。

もともとはインストゥルメンタル曲になる予定だったのが太志の申し入れで歌有りの楽曲になった。そういう経緯があるからか歌のパートをそのままアコギに置き換えても違和感なく聞けそうな感じはある。

 


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Music Videoが存在している。もともと歌詞がNHKの「みんなのうた」感があったけど、こういうイラストの作品だとさらに「みんなのうた」感が強まるなぁ。

 

「No Live,No Life」

割と初期の雰囲気に近いミクスチャーロック路線の曲。

リリース当時から「堂々!」って歌うサビがなんか珍妙に聞こえてしまって、ライブで生で見た後もあんまりその印象が変わらなかった。数少ない苦手な曲の1つ。

 

虹

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「夏のかけら」C/W「秋になるのに」

カウベルの音と軽やかなリズムが印象的なポップロック

表題曲の「夏のかけら」そして「秋になるのに」。どちらも秋を連想させる楽曲で歌詞も過去に思いを馳せるノスタルジックな雰囲気を持っているので、この2曲は連作的な印象をリリース当時から感じていた。

個人的には「夏のかけら」よりも好き。

また三菱自動車パジェロミニのCMソングというタイアップが付いている。C/Wでちゃんとテレビで流れるタイプのタイアップが付いたのはやっぱり「虹」大ヒットの恩恵かな…?

 

 

「on the run」

MTV × スニッカーズ コラボソング。

ゴリゴリのミクスチャーロック路線の曲。前2曲とは明らかに毛色が違うので、最初のドラムで毎回ビビる。音的にはAqua Timezの中でもかなりハードロック寄りな作り方でOKP、大介辺りのハードロック志向がちょびっと顔を覗かせてるのかな?と感じる。

 


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Music Videoが存在している。スニッカーズとのコラボということでMVにも登場。

こういう若手感のあるギラギラなAqua Timezはこの辺が最後かなと改めて見ると感じる。

 

夏のかけら

夏のかけら

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「Velonica」C/W「奏であい」

Aqua Timezに恋愛ソングは実は少ないということは散々言ってるんだけど、

その中でもさらに数少ない失恋ソング。

ラストサビのフレーズに凄く胸を締め付けられる。

2009年の「still connected tour」ではアコースティックなセットで披露されたけど、この曲の持つ切ない雰囲気がよく出てて良かった。

 

「薫」

2分半の短いミディアムバラード。その中でも歌詞が数行しか無いし、歌が終ってから約1分はインストルメンタル。1曲前の曲名「奏であい」が歌詞に組み込まれていて、あの曲のエピローグ的なアレなのかな・・・?という妄想も膨らんだり。

 

Velonica

Velonica

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Aqua Timez 「うたい去りし花」Part1 #7

 

 

 

Aqua Timez 3rd Album。

2009年3月11日リリース。

 

前作から1年4カ月ぶりとなるアルバム。

シングル「虹」「夏のかけら」「Velonica」「STAY GOLD」収録。

シングルが4曲(「ほんとはね」を含めると5曲)、タイアップ曲数が自己最多である。

2008年は「虹」の大ヒットによって2度目の紅白歌合戦の出場を果たし、新たな代表曲となったが、今作はオリコン4位、10万枚のセールスと前作とほぼ同等の記録となった。

 

チャート上位に顔を出して、セールスも好調だったのは今作と同年に出た「The Best of Aqua Timez」までなので一般的にはAqua Timezの全盛期はこの辺りまで…という認識がある。

アルバムとしてはロックバンドとしての自意識から解放されて、もっとポップで自由な音の作り方になっている。この変化は歌詞にも出ていて今までのような内省的な空気感は払拭されて、ポジティブな内容のものがグッと増えた。

個人的にはこの辺りはシングルやタイアップ曲が増えたことでもっと大衆に向けて届くポップソングを書こうとしていた時期という感じで、それが「虹」で結実して、アルバムとしてはバンドとしてもう1歩先に進もうとしたような印象だ。

 

 

「BIRTH」

1フレーズだけの歌詞、およそ40秒ほどのアルバムのイントロ的な立ち位置の曲。

 

 

「Velonica」

8thシングル。

アニメ「BLEACH」OPテーマ。「ALONES」に続くタイアップとなった。

キーがマイナーでダークな空気感のサウンド、シングルでそれやる!?っていう過去一くらいびっちり詰め込んだラップ詞 などなど…「ALONES」以上に今までとは違う一面を見せつけた曲になっている。

というか、今までのパブリックイメージを裏切る…という意味ではこの曲は全シングルのなかで一番強烈だったと思う。

 

ミクスチャーロック路線でラップ強めっていう曲はインディーズ時代にはいっぱいあったけど、あの頃よりもメロディの強度が強くなってる。

さらにこの曲は確かにロックではあるけど「ALONES」ほどゴリゴリのロックでは無い、1人1人のプレイが結構しっかり聞こえるし。

そういった音の引き算をした上で歌詞の世界観をグッと広げるようなアレンジ力が目を見張るものがあると思う。

明確にメッセージを提示するというよりかも"悩みもがいて得る答え"的な歌詞の世界観をOKPのベースの印象的なプレイをメインにして、ダークな雰囲気で彩るっていうのが素晴らしいのね。どう考えてもこの曲のMVPはOKP。

 

太志がアイコン的なニット帽を脱いだのも(シングルでは)この曲が初めてだったし、いろんな意味で挑戦的な1曲だったんじゃないかなと今振り返ると思う。

 

 

またこの曲と言えばAqua Timezで唯一週間シングルチャートで1位が獲れそうだったシングルである。

同日発売にAAAやシドなどがおり、初日こそ遅れを取ったが週の後半は数日間連続でチャート1位を記録しており、「これは週間1位いくんじゃないか・・・?」と思ってたんだけど

どっから出てきたのか秋元順子が1位を搔っ攫って行ってまさかの2位。

このせいでしばらく秋元順子が嫌いになった(笑)

 

リリース後はライブ定番曲に。

キーボードアレンジの独壇場で一時期はEDM調のダンスチューンに生まれ変わったりしてたりした。

個人的にラストライブ「last dance」のロックとダンスの中間を取ったようなアレンジがこの曲の最終完成形だと思ってる。このテイクは何処を切り取ってもめっちゃカッコいい。

 

 

Velonica

Velonica

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Music Videoが存在している。

曲自体のダークな雰囲気を反映させてか全体的に画も暗い。

太志がMVでアイコン的なニット帽を脱いだのはこれが初めてかな。最初見たときは金髪でギラッギラのルックスで「誰?」って思ったけど、「Velonica」以降はむしろニット帽被ることの方が少なくなったので今ではすっかり見慣れた感。

 

 

「別れの詩 -still connected-」

日本テレビラジかるッ』3月エンディングテーマ。サブタイトルの「still connected」は今作を引っ提げてのツアータイトル名に使用されている。

別れと門出を歌った爽やかなポップロック

1番は青春の煌めきと瞬間を感じさせる歌詞だけど、

2番の夢を追う者への歌詞は当事者目線ではなくて、既に大人になっている太志からのメッセージでこの視点が2つ交錯してるのが面白いなって思う。

「悲しまないで友よ」の語り掛け具合が本当に自分の友達へなのか、はたまたファンなどへ向けてなのか意味がどちらにも取れるし、結果的に凄くポジティブで普遍的な歌詞になってるんじゃないかなと思う。凄く好き。

あんまり有名な曲では無いけどAqua Timezの中で卒業ソングは?ってなるとこれ一択。

 

 

「虹」

6thシングル。

ドラマ「ごくせん 第3シリーズ」主題歌。

オリコンチャートでは2位、20万枚に迫るセールスを記録し、この曲をもってその年の紅白歌合戦出場を果たした。2019年にはレコード協会からミリオン認定を受けており、

ラストライブ「last dance」でも最後を飾る曲となった。

 

CDセールスは「決意の朝に」に及ばないけど、

当時流行してた着うたでは文字通り大ヒットしてたし、その影響でか2008年中はこの曲でテレビ番組出まくってたし、

後年Aqua Timezが紹介されるときに流されるのは「虹」のMVなので

一般的にAqua Timezの1番の代表曲は?となるとこの曲なのかな?と思う。

 

この曲のタイアップ先である「ごくせん」は既に2シーズン制作され、文字通り大ヒットしたドラマシリーズであり、Aqua Timezとしても過去最大のタイアップだった。

しかし、当初太志が持ってきた曲が没になり、ドラムのTASSHIが持ってきたデモが好評でこっちで行くか…?という流れがなった中で太志が一念発起して作り上げてきたのが「虹」。

今までのシングルは割とさらっと決まったという中で初めて難産の曲だったからこそ、

この圧倒的なポジティブさ、キャッチーさを兼ね備えたポップソングに出来上がったのではないかと思う。

割と内省的な瞬間も見え隠れするけども、それでも「大丈夫だよ」を繰り返すメッセージ。一瞬「何が大丈夫なんじゃい!」ってなるけど、この曲の肝は「大丈夫だよ」と言い切れる無責任なまでな前向きさ。

この大丈夫と言い切る力強さに何度も救われてきた。

 

大丈夫と思って前を向いて顔を上げたからこそ見えるのが「虹」なんですよねぇ。その詞の流れも凄く良い。この曲は良いところしかない。褒め過ぎてごめん。

この曲は00年代を代表する超名曲だと思う。

 

ライブでは代表曲ということもあってほぼ定番曲。

初めて行ったライブは「ダレカの地上絵」を引っ提げてのツアーだったけど、自分の行った公演の時には「虹」がリリースされていたのでその時からラストライブまで欠かさす聞き続けた曲になった。曲中に差し込まれるハンドクラップは会場が一体になって凄く良い気分を味わえたんだけど、ノーミスで曲を終えたことは一回も無かった…(笑)

 

なお今作の最後にはAlbum ver.と題された別ヴァージョンが収録されている。そちらはアコースティックな「虹」とでもいう感じで良い。

 

 

虹

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Music Videoが存在している。

「ごくせん」の主題歌ということで学生が大勢参加してて、そしてなんかめっちゃ走ってる。なんか青春ーって感じの絵だ。

見てるとBUMPの「sailing day」のMVを思い出した。

 

 

「STAY GOLD」

9thシングル。「代々木ゼミナール」のCMソング。

今作の先行シングルとして一週間前にリリースされたためか、メジャーデビュー後初めてオリコンTOP10入りを逃すという寂しいセールス結果になっている。

 

そんな経緯があってAqua Timezの全盛期のシングルの中ではおそらく1番か2番目に知名度が低い曲だと思われる。Mステに出たときもシングルを引っ提げて、ではなくアルバムを引っ提げての出演だったし。

だけど、この曲めっちゃ良いんだよなぁ。なんなら歴代シングルの中でもTOP3に入るくらいは名曲だと思う。

Aqua Timezにしてはかなり骨太なロックバラードで

それに対応するように「後悔したままで良いのだろうか」という自問自答を突き付けて、自分がどうあるべきかを宣言する歌詞にはひたすらに頼もしさを感じる。

こんなに力強い彼らは後にも先にもここでしか聞けない。

これが埋もれるのは凄ーくもったいなかった。タイアップしたCMもそんなに流れていた印象が無いし。

やっぱりあの金一色にボクサーが映ってるジャケ写が"らしく"なくてダメだったか?(笑)

 

STAY GOLD(DVD付)

STAY GOLD(DVD付)

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Music Videoが存在している。

光や火が印象的に使われていて、それに照らされる形でメンバーの演奏シーンが映っていて、凄くエモーショナルな画になっている。曲のイメージにも合致していて良いMVだと思う。

 

 

「夏のかけら」

7thシングル。新垣結衣主演 映画「フレフレ少女」主題歌。

過去一シンプルなバラード。大ヒットした「虹」の次のシングルだった…のだが、

オリコン初登場8位&(当時)過去最低の初動売上で、タイアップ先の映画が興行成績で惨敗するし、年末まで「虹」でテレビに出まくってたせいでリアルタイムでファンだった人たちも、この曲に関しては非常に印象が薄くなってる人が多いと思う。

個人的にもMステにこの曲で出たとき竹内由恵アナが曲名を「夏の思い出」って間違えた、くらいしか印象は無い。

ライブでも滅多に披露されずに誤解を恐れずに言えば地味な曲なんだけども、

歌詞、サウンド共に子供の頃の懐かしさを感じさせるノスタルジックな雰囲気だったり、2番の「小説を後ろから読んでみる」という秀逸な下りとか改めて聞いてみると色々な発見があった。

 

 

夏のかけら

夏のかけら

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Music Videoが存在している。曲が静かなバラードということもあってか、MVも大きな展開も無く、たまに意味深なカップルが出てくるくらいで基本は紅葉をバックに淡々と演奏するというもの。

 

 

「ほんとはね」

2nd配信限定シングル。「虹」にはC/Wとしても収録されている。

レコード協会からはゴールド認定を受けている。

前作「ダレカの地上絵」のアウトテイクで、配信限定という形で2008年にリリースされた。

 

君と向き合うために「ほんとはね…」と本音をこぼす可愛らしいラブソング。

といっても恋愛だけでなく、人と向き合うというもっと広い意味で捉えられるメッセージソングでもあり、なんかほっこり感もあってそこが好き。

サウンドのノリとかテンポ感は「等身大のラブソング」や「B with U」に近い感じ。

「ダレカの地上絵」に入らなかったのは同系統の「B with U」があるからかもしれん…。

 

ファン人気も高い1曲で2015年のsing along SINGLES tourで人気曲を一曲やる!という企画で複数公演で「ほんとはね」が披露されていた。ちなみに自分の見たときも「ほんとはね」だった。

 

 


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Music Videoが存在している。

ニット帽の上からヘッドホンをつけながら歌ってる太志はなんかの音楽系のCMのワンシーンみたいだ(タイアップは特についてない)。

あとはツアーの舞台裏映像みたいなのとファン参加の映像とを組み合わせている。

 

 

 

「massigura」

怒涛のシングルラッシュの後はバリバリのラップ入りのミクスチャーロック。

インディーズ時代の同系統の曲よりも歌詞の分量がだいぶ減ってスッキリしたし、歌詞1つ1つが聞き取りやすくなった感はある。

「まっしぐら!」と力強く歌うサビもカッコいいんだけど、メロが非常にキャッチー。良い意味で洗練されて、ポップソング的にもなってきたと思う。

 

歌詞中に出てくる「やめたあいつ」とはおそろく元ドラムスのアビコの事。

 

旧譜を漁れ #3

 

 

HEIZEの2017年作のEP。

こないだ韓国のシティポップ系のアルバムを集めた「URBAN K-POP」なる書籍を手に入れまして、そちらに載ってて聞いて気に入った作品。ソウルと歌謡を掛け合わせたようなメロウなナンバーが実に俺好み。

"あなたと雲と雨と"というタイトルの通り、陰鬱な梅雨を彷彿とさせるジメッとした感じも楽曲に季節感を添えていて良い。ちょうど梅雨だし、それまでにこのアルバムをしれてよかった。

 

 

 

Yerin Baek2019年作。こちらも「URBAN K-POP」から。

オシャレ系のポップではあるけど・・・シティポップでは無いよなぁ。

どっちかというとローファイでベットルームポップに近い空気感。USとかに人気ありそうなインディー感満載で良い意味でボーダレス。K-POPっぽさはあんまり感じない。

どこかメロウでじっくり聞かせる歌謡っぽさは日本人の心に響くと思うし、歌謡っぽさっていうのはK-POPを聞くうえで結構重要な要素なのかもしれんね。

 

 

これ結構おススメです。結構韓国人の大衆の好みって日本のモノと似てるのかもって思う。

 

 

 

Priscilla Ahn 2014年作。

ジブリ映画「思い出のマーニー」の主題歌を中心にマーニー関連の曲を集めた実質的なイメージアルバム的なモノ。

今年初めに「思い出のマーニー」を初めて見たんだけど、正直内容よりも曲の方が気になってしまった。思春期的な内側に閉じこもりがちな歌詞の世界観とアコースティックにシンプルに聞かせる歌がマッチしていて、グッと来た。このアルバム聞いた後だと映画の方の理解も深まった気がする。ジブリってサントラとか歌が軒並み良いよねぇ…。

 

 

 

山下達郎 1982年作。

中古で死ぬほど高騰しまくってるこの時期の山下達郎のLPがようやく再発。適正価格で手に入れられるということで買いました。

CD自体は父が随分と前に買ったのが家にあったのでずーーっと聞いていたんですが、自分の「FOR YOU」はこれが最初。なんか一個大人になった気分(もうアラサーだが)。

個人的に山下達郎は「FOR YOU」か「BIG WAVE」なので、ああいう夏っぽいのが好きなのかもしれん。

 

 

LINKIN PARK 2003年作。

この度20周年アニヴァーサリーエディションが出たので聞き返してます。

自分、ラップメタル的なジャンルはほぼリンキンしか聞いて無くて。KORNEvanescenceLimp Bizkitも触りだけしか聞かなかった。振り返ってみるとそもそもあの手のジャンルがそんなに得意じゃない疑惑が(笑)

それでもリンキンだけ熱心に聞いてたのはやっぱり圧倒的なメロディのセンスじゃないでしょうか。とにかくメロディが良い。

リンキンはマイクのラップとかメタルチックな激しいサウンドとかエレクトロ要素とか色々語るべきモノは多いバンドだけど、核に歌心があるのでそれが琴線に触れたんでしょうね。

この度発掘された未発表音源「Lost」が良すぎてもうチェスターの新しい声は聴けないのかって思うと今でも悲しくなる。

Aqua Timez 「ダレカの地上絵」Part1 #5

 

ダレカの地上絵

Aqua Timez 2nd Album。

2007年11月21日リリース。

 

前作から約1年ぶりとなるアルバム。タイトルは「ナスカの地上絵」からのもじり。

シングル「しおり」「ALONES」「小さな掌」を収録。

オリコンチャートでは自己最高の2位を記録。しかし売り上げは10万枚と前作より低下。

同時期に活躍していたいきものがかりスキマスイッチとシングルCDの売り上げは大差ないが、アルバムではだいぶ差をつけられてるなぁと今更ながら感じる。

 

 

今作からリアルタイムでCDを手に取り始めた。

人生初ライブに行ったのも今作を引っ提げてのツアー「evergreen tour」だったし、その参加したライブは太志の誕生日に近かったこともあって、サプライズで誕生日祝いのコーナーみたいなのがあったりして…他にも色々あるけど、子供の頃の思い出が一番詰まったアルバムだと思う。

アルバムとしては「風をあつめて」よりもディープな世界観が出ていて、ロックバンドとあろうとする自意識を前作以上に強く感じる作品。本人たちもやりたいことを詰め込んだ作品と自認している。

そういった志向は今作で一応の決着を見せるので、ロックバンドであろうとしたAqua Timezの最後のアルバムともいえるかも。

 

 

「一瞬の塵」

印象的なアコギのイントロから1分かけて徐々に幕を開けていく…まさしくアルバムのオープニングを飾るに相応しい楽曲。

叩きつけるようなラップをスリリングなサウンドでクールに彩っていて、彼らのキャリアの中でも唯一無二のカッコよさを誇る楽曲。アレンジもテンコ盛りでややカオス気味なのも良い。

一方、ギターもゴリゴリでベースもファンキーだし、割とロックなサイドの楽曲ではあると思うんだけど、

激しさ一辺倒じゃなくてゴリゴリの演奏の中にも冷静さを感じられて、幾分かスタイリッシュな耳ざわりに仕上がっていたりする。そういった部分で昔のミクスチャーロック路線の楽曲との違いが明確に感じるし、

ストリングスのアレンジが楽曲に新しい色を添えていて良い仕事してると思う。

 

この曲に関しては「シングルでは絶対やれない事を!」ということで作られたみたいだけど、確かにシングルじゃできないよなこのカオスさは。今作は最もディープな世界観だと言われる一因はこの曲だと思う(笑)

 

2012年のシングル「つぼみ」にこの曲のリミックスが入っているが、

「ALONES」のシングルに入ってた「Mr.ロードランナー」のリミックスとは異なり、

こちらはほぼ原形の無いリミックスでノイズみたいなサウンドをバックに加工されまくった太志のラップが小さな音量で載るという…

個人的にAqua Timezの中で今でも良さが分からない唯一の曲。

 

 

「世界で一番小さな海よ」

透明感のあるピアノが印象的なミディアムバラード。

この曲に関して太志は「孤独は一人で部屋にいる時より、賑わっている輪に自分が入れない時により強く感じるもの」といった趣旨のエピソードを披露しているけど、

誰にも不安や自分のことを打ち明けられずに、ドンドン壁を作って自分の中にいろんなものを溜め込んでいって…そんな辛い時期は自分にも覚えがある。伝わらないから諦めちゃうっていうのがもう・・・。

歌詞がラストに救いがあるかと言えばそうでもなく、どんどん内に籠って行ってしまう感じがあって鬱屈するんだけど、だからこそ、同じような境遇の人はこの曲救われるっていう部分はあるんじゃないかなと思う。少なくとも自分はそうだった。

 

 

 

 

「しおり」

3rdシングル。

三ツ矢サイダー」のCMソング、リリース後にはスペシャルドラマ「新幹線ガール」の主題歌として起用された。

歌詞が「今日もあなたが好きでした」で終わる爽やかなラブソング。

シュワっと弾ける炭酸みたいに甘酸っぱい恋模様が描かれた歌詞は

新垣結衣が出演してた三ツ矢サイダーのCMに非常にマッチしていて、今見てもタイアップ職人だなぁ…と感じる1曲。サビ終わりには「三ツ矢サイダー♪」を歌い足したくなるのは俺だけじゃないはず。

この曲の歌詞を引用してラジオ番組「SCHOOL OF LOCK」の学校掲示板のポエム部?に書き込みしてた痛い黒歴史があったりするくらいには自分の青春の1ページを飾っていたりする。

 

 

メジャーデビューして割とガッチリアレンジしてた前2作シングルと比べて、この曲はバンドサウンドを中心にシンプルにサウンドが構成していて、ロックバンド感が適度に出てて良い。

前2作のシングル、そして次の「ALONES」がライブ常連であるのに対して、

この曲はライブではなかなかやらないレア曲。キャリア後期にライブでやった時もキーを半分下げていたりしたので、太志が歌唱方法を変えてから当時のまま歌えないというのがライブであんまりやらなかった理由だったのかも。

 

 

しおり

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曲調に合わせたような青空の下、屋外での演奏シーンがとても爽やかに仕上がっていてシンプルながら良い。

なおこの時、太志が坊主になっており、帽子もニット帽ではなくキャップを被っている。珍しい。

 

 

 

「小さな掌」

5thシングル。テレビドラマ「ジョシデカ!-女性刑事-」の主題歌として起用。これが初のドラマタイアップとなった。

「ダレカの地上絵」の1か月前のアルバム先行シングルともなっている。

 

普段は近すぎて言い出しづらい相手へ「ありがとう」を素直に伝えるための歌。

太志が2007年の「the "BiG BaNG" tour '」最中に喉を傷め、ツアーを中断することになった際に待っていてくれたファンや周りの人への感謝を綴った歌詞とも言われる。

 

日常生活を普通に送っていれば「ありがとう」なんて死ぬほど言うし、大して珍しい言葉でも無いんだけど、

自分の近くにいる大事な人へはついつい忘れてしまいがちになる”ありがとう”。

基本的にこの曲は感謝の歌だけど、感謝の大切さを説いている…というよりかはそれを伝えらなかった後悔が歌詞の半分くらいを占めてて、

「大切な人の大切を見過ごしていく…」って本当にその通りだなぁと思うし、だからこそ口に出して伝えたいよねって思う。

楽曲としてはロックバラードという形のこの曲。「千の夜をこえて」とは違い、もう少しバンドサウンドをメインに置きつつも音数を絞って、ストリングスアレンジで曲に鮮やかな色を付けるアレンジが素晴らしい。歌詞と相まって凄くドラマチック。

 

小さな掌

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バンド演奏とドラマパートで構成されてる点では「千の夜をこえて」とも似てるし、モノクロ基調のバンド演奏パートはだいぶ系統としては似てる。

ドラマパートもストーリーは合ってないようなものだけど、微笑ましい惚気みたいなのをずっとやってるけど、割と歌詞を抽象的に捉えた演出になってて、結構ハマってる。

 

 

「B with U

「等身大のラブソング」を彷彿とさせるレゲエのリズムに乗っかるラブソング。

等身大~の「俺についてこい!」的なノリじゃない、もっとずっと可愛らしい恋愛の煌めきを切り取った歌詞が印象的。歌詞の女性は太志の理想像から来てるらしい。

実はストレートなラブソングがそんなに多くないAqua Timezだけど、数少ないラブソングの中でもこんなにフワフワした甘いお菓子みたいな曲はこれだけ。気持ち、メロディも声も甘いです。

アルバムの中でも好きな曲だけど、もう30代が近くなってきてる自分にはちょっと胃もたれしそう(笑)

 


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全編ドラマ仕立てでAqua Timezが登場しない初めてのMVとなった。

ドラマには田島亮、そしてブレイク直前の佐々木希が出演している。

主人公がニット帽被ってるのはやっぱり曲の歌詞が太志の理想の女性像を描いてるからかな?

彼女は栗色の柔らかい癖ッ毛では無いけど、佐々木希の顔面偏差値の前では全然許される。

 

 

 

「ピボット」

ヘヴィなサウンドが鳴り響く中でサビが爽快に突き抜けるのが最高な1曲。

歌詞に漫画「スラムダンク」で登場する安西先生とその名言が登場するし、

他にもスポーツに通じそうな歌詞がちらほら。そしてタイトルがバスケ用語の「ピボット」。完全にバスケソングですね。

熱血とかスポーツとか、そういう雰囲気を持っているのは彼らの曲の中では結構珍しいかもしれない。この手の歌詞はぱっと思いめぐらせても「最後まで」くらいしか思いつかん。

例によってギターリフの元ネタはRage Against the Machineの「Know Your Enemy」。

 

 

「白昼夢 (Interlude)」

ゆったりとしたインストルメンタル

今作を引っ提げてのツアー以外でのライブでも転換時によく使われていた印象。

次の曲と音が繋がっている。

 

 

「秋の下で」

憂いを帯びたクールなサウンドとズドン!とインパクトのあるサビが特徴的な楽曲。

曲の構成自体はラップとキャッチーなサビという初期の彼らによくあるパターンだったんだけど、サウンドのアプローチの仕方は以前とだいぶ違う。

バンド感は強い曲だけど、音自体はそこまで多くなくて、少ない音でどうやって歌詞の世界観を再現するか趣向を凝らしている印象がある。

「青い空」が曲調として近いので、比べて聞いてみるとバンドとしての進化を感じられると思う。

 

一時期Youtubeで「秋の下で」の別ver.が上がっていた。音色はインディーズっぽかったが、自主制作されたCDにはこの曲は収録されておらず、詳細は不明。

 

 

 

 

Extra

「しおり」 C/W 「夢風船」

NHK BSハイビジョン『地球に暮らす子供達』のテーマソング。

ゆったりとしたビートにラップっぽく淡々とメロディを載せていく曲で、これぞ!という明確なサビが無いのも特徴。

個人的にはシンセのフワフワしたサウンドが曲に黄昏感を演出しているような感じがして表題曲の「しおり」と共に夕暮れを思わせるシングルにまとまっているのが良かった。

元々はインディーズ時代に存在していた楽曲のようだ。

 

アルバム「ダレカの地上絵」ではラストのボーナストラックとしてyurikago ver.が収録されており、そちらではテンポアップしたワルツ調の楽曲に生まれ変わっている。

 

しおり

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「ALONES」C/W 「暁」

Aqua Timezには珍しくジャージーサウンドとファンキーなノリの楽曲。

「ALONES」にもラテンっぽい要素が入ってたけど、このシングルはそういうモードだったのかな。

最初聞いた時は「なんだこのカッコいい曲は!」って思って、なんなら「ALONES」より聞いてた気がする。

後にも先にもこういう路線はこれだけだったのが残念。

ALONES

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Aqua Timez 「ダレカの地上絵」Part2 #6

 

 

ダレカの地上絵

 

 

「ALONES」

5thシングル。アニメ「BLEACH」のOPテーマとして起用された。

初週売上が5万枚を超え、累計売上も10万枚を突破。レコード協会からはプラチナム認定を受けているヒット曲。

Spotifyでは海外でのアニメ人気に引っ張られてか、バンドの中で一番の再生数(2000万再生)を記録している。

 

前作「しおり」もシンプルなサウンドが特徴的で"バンド"を強調する曲であったが、

「ALONES」はさらにそこから一歩進み、シングル曲では初めてロックの一面を打ち出した楽曲。

疾走感あふれるバンドサウンドは今までのシングルでの彼らの一面を一変させるようなロックさでストレートにカッコいい。

Bメロでダイナミックで力強いサウンドをばっちり聞かせて、そこからサビに爽やかなメロをドカンと持ってくるのがひたすら気持ちいいし、

ラテン風味もギターソロにハンドクラップを組み合わせる間奏もアレンジが光っていて良い。今までのシングルの一面的なイメージを一新させるには十分すぎる名曲だと思う。

 

そしてこういうロックで爽やかなサウンドとは裏腹に"孤独"をテーマに歌われる内省的な歌詞のテーマ性がグッとくる。なにか明確な励ましがあるわけでも無く、ただ孤独に寄り添ってくれる歌詞が凄く好きだった。

爽やかでカッコいい一面を見せつつも、こういう風に独りぼっちにキチンと寄り添ってくれる姿勢が初めて聞いた時、凄く嬉しく感じたのを覚えてるし、こういうのが俺の好きだったAqua Timezだよなぁと今改めて思う。

 

なお、タイトルの「ALONES」は造語でALONEを複数形にすることで「独りぼっちなのは君だけではない」という意味を込められているようだ。

 

ライブにおいては「Velonica」等と同様に定番曲として盛り上げる役割を担った。

 

 

ALONES

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Music Videoが存在している。

バンド演奏中心に構成されており、スケッチブックをコマ撮りした的なアニメーションも差し込まれて映像を彩っている。

後半にあるライブシーンではファンクラブで募集されたエキストラが参加している。

 

 

「乱気流」

「上昇気流」に続く気流シリーズ(?)2曲目。

疾走感のあるロックという意味では同アルバム収録の「ピボット」に近い印象を受けるけど、こちらのほうがさらにアップテンポでなおかつシンセの音が印象的なので、デジタルロック的な趣きが強いかなと思う。

ドラムのノリとかはちょっとパンクロックぽいかも。

 

 

 

「ガーネット」

マチュア時代に存在していた「大きな木の下で」のリメイク楽曲。歌詞はリリースより約7年前に書かれたものだったようだ。

アコースティックなサウンドがメインで静かな平メロと

激しいギターとそれを彩るストリングスのアレンジが印象的なサビ、この静と動が効いたエモーショナルなロックバラード。 個人的に「Perfect World」と並んでAqua Timezの中でも好きな曲だったりする。

その理由は歌詞で

内省的ながら人と向き合う事を描いた前向きな歌詞も実に太志らしい詞で凄く救いがあって、これを初めて聞いた当時は凄く勇気づけられたのを覚えている。

人と向き合う勇気も傷つく覚悟もこの曲から少し教えてもらった気もする。

 

この曲はシングル曲では無いし、ライブで頻繁に演奏されたわけでは無いけども、

個人的に歌詞もメロもアレンジも凄くAqua Timezらしい、ど真ん中の楽曲だと思う。たぶんファンの人ならこの気持ちは分かってくれるんじゃないかな…。

 

デビュー10周年のツアー「sing along SINGLES tour」で公演ごとにリクエスト曲を募った際、この曲がリクエスト1位になったこともある。ただ俺が行った公演は「ほんとはね」が選出されたので聞けずじまい・・・。

初ライブ参加だった「evergreen tour」ではライブで聞いたっぽいんだけどなぜかこのツアーは映像が全く残ってないし、昔すぎて覚えても無いので、この曲を活動中に再び聞けなかったことが結構悔いが残ってる。

 

 

 

「僕の場所~evergreen~」

(一応)アルバムラスト曲。

今作を引っ提げてのツアーのタイトルはこの曲から採っている。

前曲「ガーネット」でも歌われていた、人と向き合うことの大切さ、君は君のままで良いというありのままの肯定…というテーマ性をもっと優しくで包み込んだような…そんな曲(語彙力)。

「ガーネット」はもうちょっとトゲトゲした側面もあったけど、この曲はフワフワした

安らかな感じ。ストリングスの感じとかハープの音とか壮大な音像とかもそういう感覚を強く感じさせている要因かもしれない。

 

アルバムではこの後にボーナストラックで「夢風船 (yurikago version)」が収録されている(そちらの前回の記事で)。

 

 

 

「hana~Evalasting~」

初回限定盤のみの隠しトラックで29トラック目に収録されている。

アコギと鍵盤ハーモニカと簡単なリズムだけのシンプルなサウンドで奏でられるアコースティックな小曲。

hanaは太志の祖母の名前で、その祖母との思い出を懐古した歌詞で少しノスタルジックな気持ちになる。