小市民シリーズ待望の続編「冬期限定ボンボンショコラ事件」が発売されました。
本シリーズといえば2020年に「巴里マカロンの謎」が出るまで10年以上音沙汰の無かったシリーズなので、
2024年になってアニメ化発表、そして待望のシリーズ完結作となる「冬期限定ボンボンショコラ事件」が出るニュースが耳に入った時はめっちゃビックリしました。
さんざん続編が出ねぇ出ねぇと言ってたのに
出る時にはポンッとコンテンツが出てくるもんなんすね。
(思いっきり小山内さんが猫被ってる…)
さて、そんな待望の小市民シリーズ完結編なんですが、
これがなかなかシリーズの中でも異色の作風。
本編では事故にあった小鳩くんが一生ベットの上で寝てます。
物語上の展開はそんな小鳩君の中学生時代の回想で進行。
まぁ秋期限定~の時点で小鳩君と小山内さんの関係性の終着点まで描いていたので、
そうなると冬季限定~はザ・ビギニング的な内容になりますよねと。
小市民と志す前の小鳩君と小山内さんが出会い、互恵関係を結ぶまでの話なので
今までの過去3作と比べて2人の在り方が全然違っていて
シリーズ完結作でそんな魅せ方するんか…と再度ビックリ。
小鳩くんの痛々しいイキってる行動に共感性羞恥的なモノを感じながら1ページ1ページめくっていきました。。
内容には深くは触れませんが、
米澤先生のお家芸とも言えるほろ苦い結末と
最後にバシッと決めてくれる伏線回収で青春ミステリとしても完成度高し。
健吾は相変わらずナイスガイ。シリーズ一の人格者でしたね。
「栞と鍵の季節」を読んだ時も思ったけど、
米澤先生の青春ミステリでしか得られない栄養はあると思う。
その栄養素が小市民シリーズから得られないとなると凄い悲しい…。
(どうやら単行本化されてない短編がいくつかあるみたいだけど、物語的にはもう終わりだし)
ラストに出てくる
小山内さんの「おやすみ小鳩くん。わたしの次善。」というセリフ、
秋期の最後にも「次善」って言葉が出てきますけど、あきらかに声色が違うんすよね。
大学進学で別離か…と思われた小鳩くんと小山内さんが2人でいる未来が示唆されたわけで。
Twitterでも同じこと書いてる人いたけど、この小山内さんのセリフ、シリーズずっと追ってきた人からすると思わず「うぉぉおおおお!」って声を上げたくなる1シーンだったと思います。
まさか小市民シリーズがこんな爽やかな読了感を残して完結するとは…。
こんなことやられてしまうと
おそらく出ないだろうけど、小市民シリーズ大学生篇…見たいです…。
そして期待してます!古典部の新作!!待ってます!!俺が死ぬ前には!