まさかの続編、「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカ―」を見てきました。
2017年に公開された実写映画第一弾は
原作荒川弘による書き下ろしの0巻配布という特典があり、週末興行成績では1位を記録しました。しかし、最終的な興行収入は11億止まり。作品も酷評されるという結果になっており、まさかこっから続編を作るとは…夢にも思いませんでした。
個人的にもこの2017年の作品は面白くなかったです。
中途半端に原作をなぞった原作名シーンのダイジェストオンパレードに、
あまり褒められたもんじゃないオリジナル展開。ホムンクルスの雑な扱いに火炎放射器大佐などなど…ファンなら思わず首を傾げたくなるような出来。ファンじゃなくても一個の映画作品としても唐突なBGMの入れ方とかカット割りとかとにかく微妙で、こりゃ酷評されるわ…っていう感じでした。
そんな大失敗ともいえる2017年のハガレン実写から
今回の完結2部作。
前作同様つまらないのか?
それとも生まれ変わって、超面白くなっているのか?
それを確認するべく、劇場に足を運んできた次第です。
結果から言います。
しっかりつまらなかったです(笑)
BGMの入れ方、カット割りの退屈さ…前作で感じてた映画そのもののつまらなさがそのまんま。ホントそのまんまです。ビックリした。
特にきつかったのはアクションシーン。
全くスリリングさとスピード感を感じない映像で、エドとスカ―の錬成をぶつかる瞬間や肉弾戦のシーンはほぼ確実にスロー演出が入ります。
間一髪で攻撃を避けた、とか刹那の攻撃の切り取りを映したい、とか意図は分からなくもないんですけど、戦闘シーンがあるたびにやるのでおそろくテンポが悪いっす。
あと予算の関係か、
ロケが皆無になってほとんどセットでグリーンバックを背景に撮ってそうな感じなんすけど、
そのせいで走ったり、長回しで長距離を移動したり、といったカットが無く、奥行きが感じられずどうしても画面上の空間が窮屈に感じてしまいました。
ハガレンって力と力のぶつかり合いみたいな戦闘、というよりかは地の利を生かした戦い方をしてるイメージが強いので、その地の利を生かしてる感が全然ないのはきつかった…。エドとリンによるホムンクルス捕獲作戦も原作ならもっと町全体を活かした話だったと思うんだけど、映画を見てるとセット内だけで完結してる感が画面越しにも凄く伝わってきます。
そんなこんなで映画としては作り物感が見え見えで凄く退屈だし、この点はまだ前作のほうが良かったなって思ってます。まだアッチのほうが金掛けてた。
が、今作にも良いところはあります。
まずキャスティング。
キャスティングに関しては前作の時点でかなり良かったんですけど、
今作でもかなり良いです。
もう山田涼介はエドにしか見えないし、水石亜飛夢は本当にアルの声にピッタリ。
リンもブラッドレイもメイもマンガからそのまま具現化したような完成度で
これらが実際に動いてるシーンを見れるっていうだけでもハガレンファンとしてはお金払えます。一番良かったのは…やっぱり内野聖陽のホーエンハイムかなぁ…?
すごいホーエンハイムでした。今作では顔出し程度でしたけど、6月の「最後の錬成」での活躍っぷりには期待できそうです。
あとはストーリー。
正直、完成度は高くないです。2017年の作品では原作27巻のうちだいたい10巻くらいまでの内容しか網羅しておらず、
そこからたった2作品で原作ラストまで描くために17巻分を補完しないといけないわけで。
今作で初出キャラだけでもスカ―、キンブリー、ブラッドレイ、ホーエンハイム、リン、メイなどなど…かなりの数。
しかも原作ラストまでやるなら外せないキャラ達で、6月公開の「最後の錬成」ではブリッグズの面々や師匠も出てくるっぽいのでさらにキャラ数が増加。
2時間という尺では必要なキャラを出して、最低限のストーリーを追うだけで精一杯なのが見てわかると思います。
が、今回の映画ではそれを一応ちゃんとやってます。
オリジナル展開も一部あるけど、あくまで2部作で作品を納めるためにシナリオを再構成する過程で必要なモノであったし、何より雑な名シーンダイジェストになってない!
なによりキャスティングに関してはほぼ文句が付けようがない出来なのでそれなりに見れる絵面に仕上がっていて、
2017年版よりもはるかにハガレン愛を感じる出来だったと思います。
そんでもやっぱり時間は足りてないし、ところどころ端折っているので
ハガレンファン以外が見てもなんのこっちゃ?ってなりそうなんですが(笑)
まぁでもちゃんとハガレンのストーリーでハガレンのキャラが動いているのを拝めるのでその点を期待してる人は見に行って損はないと思います。
2017年版はまずそこがちゃんとしてなかったんで。
ただ、映画としては超つまらないです。これだけは覚悟した方が良いと思いました。
(6月の最後の錬成も見に行きます多分)