24K Magicツアー中に意気投合したBruno MarsとAnderson.Paakによるユニット,Silk Sonic。
Bruno Marsの前作「24K Magic」が80、90年代のR&Bやニュージャックスウィング辺りへのルーツ志向を打ち出していたけど、
今作はさらに時代を数十年遡って、70年代のスウィートソウル、ファンク、初期ヒップホップへの愛を大々的に打ち出した作品に仕上がっている。
甘いメロディっていう面でいうと前作に軍配が上がる気はするけども、70年代のサウンドを現代にアップデートするという面ではこちらの方がよりタイトに表現できている気がする。新旧のファンクミュージシャンが一堂に会する感じも熱い。
90年代を席巻したグランジバンドの1つ、Alice In ChainsのメインソングライターにてギタリストのJerry Cantrellによる約20年ぶりのオリジナルアルバム。
AICはもともとメロディが凄く良いなって思って聞き始めたんだけど、
そのメロディを書いてる人のソロが悪いわけないんですよね。
ただ時間の経過のせいか、AICほど、そしてソロ前作ほど、独特のドロドロ&鬱屈した雰囲気が無くて、そこは賛否両論っぽいですけど個人的にはその方が彼のメロディがグッと際立って良いと思ってます。
ここ最近は陰と陽の相反するコンセプトを交互にリリースするColdplay。
今回は陽の方。方向性としては同じく陽の「A Head Full Of Dreams」とエレクトロ要素を大胆に導入した「Mylo&Xyloto」を足して2で割ったような感じ。
相変わらずこの手のスタジアムロックをやらせるとColdplayに勝てるバンドいないんじゃない?って思わせるようなサウンドは圧巻。
ザ・スタジアムロック「People of The Pride」なんかのManeskin辺りの新興ロックバンドへの彼らなりの回答みたいな曲もあるけど、基本的にはいつも通り、期待通りの最高のポップス集。
The Interruptersのライブ盤。Live In Tokyo!ってタイトルにあるように
2019年に彼らがSummer Sonicで披露したステージを納めたもの。
彼らはあの時キャンセルの穴埋めでなのか、2ステージに出てたのでこの音源が自分が見たステージを納めたものなのか否かは分からないけど、コロナ前の生で見た熱いステージをこういった形で再体験できたのはものすごーーーーく嬉しかった。。。
また日本に来てほしい。
ラップ×カントリーの「Old Town Road」で特大ヒットを飛ばしたLil Nas X。
あまりにもデカく売れすぎて、一発屋になるんじゃないか?と思ってたんですけど杞憂も杞憂。「MONTERO」「INDUSTRY BABY」と次々とヒットを飛ばした。曲のバズだけではなく、センセーショナルなプロモーションも話題になってて凄いインフルエンサーだなぁ…と。
そういった側面も彼を語る上では外せないけど、今回はあくまでアルバムについて。
ヒップホップをポップパンク、グランジといったロックを加えたうえで昇華し、いくつもの耳に残るフックを確実に曲に仕込んでる。「Old Town Road」がまぐれヒットじゃないことを鮮烈に証明してくれたアルバムだと思う。
USインディーロックの雄、Ty Segall。
シンセが入ってるけど、ガレージ、グラム、パンク、カントリーなどなどいつもの、いつも通りの彼。バリバリ鳴り響くファズギターが心地良い。
今年US,UKのチャートで猛威を振るったイタリア出身のロック界の救世主Maneskin。
グラムロックみたいなメンバーのルックス、圧倒的なカリスマ性を誇るフロントマン、今のヒットチャートには時代遅れともいえる豪快なギターリフとダイナミックなサウンドに加え、ヒップホップ的な歌唱を取り入れたパフォーマンス。
日本の某誌でも年間1位を獲得するほど推されてるのも納得の、(現代的でありながらも)分かりやすくロックスターバンドだ。コロナ下で無かったらサマソニかフジロックでいち早く来日してただろうなぁ…。
こっからもっとビックになってほしい。
多作のWeezerさん。
Weezerなりにハードロック、LAメタルへの愛を示したロックアルバム。
といってもガッツリそのジャンルに浸かるわけではなく、メロディはWeezerらしさ満載でどこからどう切り取ってもWeezer。もはや普通にパワーポップですらある。
Slik Sonicのそれとは確実に毛色が違うのでその辺が賛否あるっぽいし、
もろオジーオズボーン、もろメタリカとかオマージュではなく引用してたりするのもご愛敬なんだけどそういうのもWeezerっぽい。Weezer好きだ。
多作のWeezerさん。
オーケストレーションを導入し、アルバム全編がシームレスで繋がれたコンセプトの強いアルバム。
快活で明るいパワーポップ路線に比べると内省的な瞬間が多く、ストリングスも大々的に取り入れているので結構センチメンタルな雰囲気があるのがウルっっと来る。
久々の3rdアルバム。
前作までの2ピースとは思えない分厚いグルーヴにエレクトロ要素とダンサブルさを大胆に導入。
新たな要素を加えても衰えない分厚いグルーヴはもちろん凄いが、
ツェッペリン的なハードロックにDaft Punkの「Get Lucky」のような踊れるビートを掛け合わせたようなそんな迫力を作り上げたのが何より凄い。
ボウイの「Let's Dance」などをルーツに置いたロックで踊れるフーファイ。
「Shame Shame」が先行シングルでカットされた事からもその方向性が伺える。
と、言いつつもいつも通りのハードでロックなフーファイも健在でその中で踊れるグルーヴを曲の中に仕込んだ、って感じだ。
このダイナミックなダンスチューンをぜひ日本でも聞きたいっす。
60年代バロックポップ風でサウンドもストリングス、コーラス、ホーンセクションを導入した華やかに仕上げたポップロック。
ビートルズライクなものは良くあるけども、
今回の路線はそれ以前のポップミュージックを志向した感じで、なおかつそういった時代性の映画のサウンドトラックのような感覚もある。以前よりもFratellisの突き詰める音楽性が面白くなってきたと思う。
前作がトラップ、ヒップホップ、R&Bテイストでしかも内省的な作風だったんだけど、今作は明確にポップスに寄った作風に。
ただ底抜けに明るいというわけでもなく、影がありつつ大人になったポップスといった趣き。前作同様、そこまで派手なサウンドメイクでは無いゆえメロディが際立つし、流行の80'sっぽいテイストも彼のポップ路線とマッチングしていて良い。