小学生の頃。
父親のCDラックの中に「化石のジャケ」のCDを見つけました。
名前は「The Sundays」。
当時洋楽なんて全く聞かなかった自分はこの無機質な印象のジャケ写とストレートすぎるバンド名は全く響かなく…それっきり。
時は流れ、
北川勝利(ROUND TABLE)のライブ。
ライブ前には良い感じのネオアコっぽい曲が掛かっており、スマホのShazamを使用してチェックしまくっておりました。
その中でひと際耳に残った曲。
アルペジオを多用したネオアコサウンドと可愛らしさと透明さが同居した魅力的なヴォーカル。もう好みど真ん中。
そしてShazam登録されたものは何処か見覚えのあるジャケ写。あの無機質な「化石のジャケ写」、これが「The Sundays」との再会(実質的な出会い)でした。
イギリスにおいて88年から97年まで約9年の間にアルバム3枚を残して、静かに姿を消していったバンドThe Sundays。
活動終了から音沙汰もなく、そもそもが寡作でマイペースな活動だったためか、
いまネットで調べてもまぁ~情報が出ないこと出ないこと。
そんなわけでThe Sundaysが残したアルバム3枚とも国内盤を手に入れてみました。
これでライナーノーツで少しは情報が得られるはず…。
それで分かったのはThe Sundaysはあくまで自分たちが表現したいものだけを音楽にしていたんだなぁとということ。
デビューの際にはメジャーレーベルではなく、自分たちでバンドをコントロールしやすくするためにインディペンデントレーベルと契約をしているし、
2ndアルバムの際にEMIと契約した時も「レーベルは全く制作に関与しない」との約束つきで契約している。
80年代から90年代という激動の年代に活動をしていた彼らだけど、残された3枚のアルバムはほとんど時代の色に左右されることなく、音楽性にブレが無い。
(こういう言い方はどうかなとは思うけど)ハリエットのキュートなルックス、そしてバンドの持つ曲のポップさをもってすれば、ワールドワイドに活躍するビックバンドになることもできたはずだと思う。
でもそういう武器の使い方、道の選択をバンドはしなかったわけで。
そういった所に「純粋に表現したい音楽を鳴らす」バンドとしての信念を感じました。
そして面白いのは2ndアルバム「Blind」から3rdアルバム「Static&Silence」まで5年モノ期間が開いてるんですよ。
92年から97年。アメリカではNirvanaと共にグランジが勃興して、イギリスではマッドチェスターからOasis、Blurといったブリットポップ勢へと音楽業界も変わっていったまさに激動の時代。
栄枯盛衰、いろんなバンドが出ては消えていったそんな時代において、5年ってかなり長いじゃないですか。しかもThe Sundaysはその間音沙汰が無かったらしく(笑)。
それでも3rd「Static&Silence」はそんな空白期間を吹き飛ばすように売れたみたいです。なんなら前作「Blind」より売れてる。
前述したとおり、バンドとしての成功は距離を置いていた彼らだから
こういう売り上げ的な部分はどうでもいいかもしれないけど、激動の時代においても求められ続けたThe Sundaysの音楽の普遍さって、「純粋に表現したい音楽を鳴らす」信念に裏打ちされたものなんだろうなぁ。
3rdアルバムリリース後、ちょっとだけツアーをしたあと明確な終了宣言もないままにThe Sundaysは活動をそのままフェードアウト。
そののち、メンバーが再び音楽活動をした形跡もないため、知る人ぞ知るバンドになってしまった感もありあり…勿体ねぇぜ…。
この記事がThe Sundaysとの出会いの機会になれば本望です。
The Sundays - Here's Where The Story Ends (Official Video)